白内障・最近の話題

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白内障・最近の話題

   大塚眼科病院副院長 松下卓郎先生

 
 ただいま御紹介に預かりました大塚眼科病院の松下卓郎と申します。よろしくお願い致します。

 今日は白内障をテーマにお話をさせていただきます。
スライドも使いますが、できるだけホワイトボードに絵を書いたりして、部屋を明るいままにお話ができればと思っています。少し字を大きくした印刷物もお手許に用意しましたので、ご参考にして下さい。

 白内障は大変多い病気ですので、皆様も興味がおありでしょうし、この中には白内障の治療を受けている方、手術も受けた方もいらっしゃると思います。また身近に手術を受けられた方がいて「手術は簡単、痛くない、すぐ良く見える、何でも見えるようになる」などという間違った情報を得ている方もいらっしゃるかもしれません。今日は白内障について正確に知っていただきたいという願いを込めてお話したいと思っています。
【白内障とは】
 白内障って何でしょう。
皆さんに「白内障ってどんな病気かご存知ですか?」とお聞きすると、「膜がかかったような・・・」とおっしゃる方が多いような気がします。

 これは眼の断面図ですが、一番後ろの方にカメラでいうとフィルムの役目をする「網膜」があります。これは神経の膜で、頭の中に通じている視神経の一番出先の器官になっています。世の中の光や色や形などの情報は眼の前の方から入ってきて、黒目と呼ばれる「角膜」を通って、次に瞳と呼ばれる茶目の真ん中を通って、その後ろにある「水晶体」という凸レンズを通って「硝子体」という組織を通って網膜まで達します。ですから、このどこかで光がさえぎられれば見にくくなる、視力が落ちるというわけです。

 今日お話する自内障は、どんな理由でもいいのですが、水晶体という凸レンズの形をした円盤状のものが白く濁ってくる病気を総称して「白内障」といっています。

 どんな理由かというのは、お年をとってなる方が一番多くて老人性白内障、または加齢白内障といっています。それから外傷で起こることがあって水晶体に何かが刺さったりすると白く濁ってきます。生まれついての白内障の方もいらっしゃいます。

 症状は、濁りの程度によって様々です。たとえば真っ白に濁ってしまうと、目の前が全く見えなくなります。少しだけの濁りですと、光が通る時にキラキラしてしまうために眩しいというだけの白内障もあります。また凸レンズの端っこだけが濁ると、光はきれいに通
りますので機能的には問題がありません。

 逆に真ん中だけが少しでも濁ると、非常に視力に影響するということになります。診察時によく「白内障の程度は高度でしょうか、軽いでしょうか、重症でしょうか」などと質問されますが、濁った場所によって、白内障の程度はひどいけれど濁りが隅のほうなので視力は確保できている人がいらっしゃいますし、濁りの程度は軽いのに真ん中が濁っているので非常に視力が落ちる方もいらっしゃいます。

 ですから濁りの程度と重症度といいますか、その方にとっての不自由度とはギャップがある場合があります。この水晶体の濁りは外に飛び出ることはありません。あくまでも中だけの問題です。たとえば水晶体の濁りが進んで網膜の方まで白くしてしまうということはありません。 
【若いのに白内障だといわれた】
 若いのに白内障だといわれたこの場合、若いというのが問題です。私も医者になって30年程になりますが、医者になってすぐの頃は50歳過ぎた人が白内障になると年齢的に「当然だな」などと思っていました。

 ところが今この年齢になりますと、五十代で白内障は「まだ若いのに困りましたね」などと言ってしまいます。六十代の方も私の感覚からいうとまだ若いですから、白内障は気の毒な気がしてしまいます。70歳になって白内障になる権利があるという感覚が私のなかにはあります。

 しかし実際には六十代で白内障になられる方は多くいますし、場合によっては三十代で水晶体が真っ白という方もいらっしゃいます。しかしこれは年齢の変化で普通に起こることなので、六十代、七十代、八十代の方は、水晶体が濁るということに関しては全員がなっています。お顔にシワがよるとかシミができるとか白髪になるということと全く同じことですので、水晶体がある程度白濁するということは受け入れていただくしかありません。

 それで最初に話に戻りますが、本当に若くて白内障になる方で比較的多いのはアトピーの方です。また若い方の糖尿病でもみられます。それから全身的な病気でステロイドホルモンのような内服薬をたくさん飲んでいる子供さんにもみられることがあります。また生まれつきの先天性の白内障もあります。

 チビちゃんだから白内障にならないということはありませんが、今日は加齢性の白内障についてお話しようと思っています。

 ある年齢になると全員が白内障なのですから、そのうちの大多数の方は白内障という病気に関してはそのまま無事に一生を終わられるということです。視力変化は感じないけれどたまたま眼科に行って「私は白内障があるのでしょうか」とお聞きになったときに、医者としては年齢に応じた「水晶体の濁りがありますね」と答えると思います。「それは白内障ですか」と聞かれると窮するのですが、正確にいえば白内障ということになります。

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