新しい白内障手術について

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2015年関西懇話会講演
「新しい白内障手術について」

 南眼科院長 南 政宏先生

 
 
 いつもお招きいただきましてありがとうございます。
大学を辞めて、枚方市の京阪の御殿山の駅前で開業しています。網膜の手術は開業してから少なくなりまして、白内障の手術を担当することが多くなりました。

 最近の白内障手術は随分変わってきて、今年あたりから変わる部分があります。ちょうど良い機会だと思いますので、かなり細かいところまでお話できたらと思います。
 
【眼の構造】
 眼球を分割したを見ると、前眼部に黒目があって、その奥には水晶体、つまりレンズがあります。これが濁ってきて、視野が霞んでくるのが白内障です。眼球の内張りが網膜で、光を感じる細胞と、物を見たという情報を伝える神経です。

 その神経が一本の視神経というところに繋がって、これが脳に行って、頭で情報を処理しています。今日は水晶体という部分のお話がメインになります。
【白内障の原因と症状】
●原因

 1.先天性-特発性、遺伝性、風疹など
 2.老人性
 3.外傷性
 4.糖尿病性
 5.ステロイド性
 6.放射性
 7.その他の併発トぶどう膜炎、アトピーなど

 一般に加齢ということで、歳を取れば誰でもなります。四十歳を超えてくれば白内障が始まっていておかしくないです。つまり自髪が生えてきたら、白内障も始まってきていますというイメージです。それ以外にも、糖尿病のときに特徴的な白内障が出たり、ステロイドも同じで、ステロイド薬という強い炎症を抑えるお薬や、放射線によるもの、怪我もあり、いわゆる先天性(生まれつき)という気の毒な子供さんもいます。

 それからアトピーでも白内障があって、十代でも手術ということがあり、私もたくさん手術の経験をしました。中学生、高校生で白内障手術ということもあります。
●症状

 1.霞んで見える
 2.眩しくなる
 3.暗くなると見え難くなる
 4.近くが見易くなる
 5.二重・三重に見える

 瞳は散瞳剤で開きます。瞳の真ん中には水晶体があり、本来は透明なので見えませんが、この水晶体が真っ白になると、中が見えない状態まで進んだ白内障です。濁ってくると、霞んで見えるというのは想像できると思うのですが、眩しいという訴えも多いです。

 そして近くが見やすくなります。皆さんがというわけではありませんが、白内障が進んでいくなかで、近視が強くなっていくということがあります。近視が出てくるということは手元が見えるということなので、今まで見えなかった新聞が見えるようになったと喜んでいたら、どんどん霞んで見えなくなったというパターンで来られる場合もあります。

 その他に二重、三重に見えるとか、夜間見え難いというのが主な症状です。全体に霞んでいるということもあります。

 網膜の病気等で、眼の中心がやられる病気、例えば黄斑変性等は、部分的に見え難くなる。網膜剥離は剥がれたところの視野が欠けて真っ暗になるという症状があります。白内障の場合は全体が霞んできたり、眩しくなったりということが起こってきます。全体に見えているのですが、滲んで、ピントがどこにも合っていないイメージです。
【白内障の進行】
●成熟度(初熟、未熟、成熟、加熟など)

 水晶体に細い光を当ててレンズ(水晶体)の断面の写真を撮っているのですが、だんだん茶色っぽくなっているのが分かります。水晶体の中心部(核)の色の変化で分類しているのですが、色が茶色くなればなるほど核が硬くなっていきます。核が硬くなると、石のようになってしまい、分厚くなることによって近視化します。

 硬さは手術のときに関わって、硬くなり過ぎると最新の手術もできなくなってしまいます。もちろん現在やっている超音波の手術もできなくなって、昔ながらの手術ということになります。

 手術をするなら、このようになってしまう前に、ある程度やり易い時期があり、眼科医は診察の時に観察しながら診ています。他の病気による変化、加齢等で、水晶体の濁っている場所の濁り方によって、病気による続発なのか分かる場合があります。

 白内障の起こる年齢は、四十代でも意外にあって、手術する方がどんどん出てきています。60代の患者さんに「白内障がありますよ」と言うと「もうそんな歳か」とショックを受ける方が多いのですが、実は40代で早々と白内障は始まっています。
【白内障の点眼薬治療】
●点眼薬(カタリン点眼・カリーユニ点眼など)

 点眼薬を処方されている方がいらっしゃると思いますが、薬で白内障を治すことはできません。何故ならば老化ですから、歳を取ることを止めることはできません。一般的に使われる薬は、基本的に中身はほとんど一緒なのですが、あくまで進行が遅れればいいという意味合いで使っています。

 これは必ず薬を出すときに言うのですが「お薬を使っても白内障は必ず進みますよ」ただ「手術が1日でも延びて良かったと思えるのであれば、点眼で頑張って行きましょう」ということで「点しても進むときは進みます」と言うと、2人に1人は「要りません」と言います。それでも欲しいという方には処方します。

 現在、不自由では無い人は、点眼する、もしくは経過を診るということで良いと思います。現在、不自由であるならば、薬を点しても不自由さが改善するわけでは無いので手術が唯一、白内障を改善する治療ということになります。
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