松下先生をおたずねして

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札幌・大塚眼科病院に
松下卓郎先生をお訪ねして  大内秋子
     
 札幌駅から地下鉄南北線で北18条駅から大塚眼科病院まで徒歩3分のはずなのに、訪問した2月下旬は記録的な大雪のために、除雪後の雪が壁となって視界をさえぎり、歩道は凍結して滑りやすく、思いのほか時間がかかった。北国の厳しさを実感した。

 到着した病院は、5階建(一部4階)のスマートな外観で、中に入ると受付と待合室。天井は吹抜けで明るく、視力表がずらっと並んだ検査室をガラス越しに見渡せる。3階の副院長室で松下卓郎先生にお話をうかがった。
問い 明るくて広々したきれいな病院ですね。
  
松下先生

 この病院は40年前に大塚秀勇先生が創立し、この地でずっと診療してこられました。現在は理事長で80歳になられます。私は8年前に国立札幌病院からこちらにきて副院長になりました。そして2003年には手狭になった建物の大改造を手がけ11月に完成しました。

 それまでの経験から、患者さんもスタッフも気持ちよく過ごせるように工夫しました。診療関係の場所は機能的に動けるように、また北海道では入院施設は欠かせないので、病室やラウンジはできるだけ心地よくしていただけるよう配慮しています。ベッド数52床、眼科医7名、内科医1名の陣容です。

 昨年旭川医大から引地泰一先生が来られ、加齢黄斑変性の光線力学的療法治療(PDT)の機械も入って、網膜関係の治療がいっそう充実してきています。昨年の手術は網膜・硝子体関係で300例以上、白内障や他の手術も入れると2000件を越えます。 

問い 日本眼科医会の常任理事もされているんですか。
  
松下先生

 1万4千人いる眼科医の全国的な組織です。私は広報と学術担当で月に2、3回は会議などで東京へ行っています。もう一つの大きな組織の日本眼科学会は、どちらかといえば大学関係者が中心ですが、今医師をとりまく環境は非常に変わってきていて、共通の問題が多くなってきました。

 私が危惧しているのは、若い医師が育っていく中で、さまざまな問題が起こってきていることです。従来のシステムにも多くの問題点がありましたが、これから眼科を志望する学生をどこでどう育てられるか、来年から具体的に見えてくるので、いい方向へ持って行けるかどうか、これからなんです。

問い 先生ご自身は大学を出られた後で自治医大で勉強されたんですね。
  
松下先生

 清水昊幸教授のもとでの、あの7年半が無かったら、今の私はありません。26歳で医局に入った時、清水先生は40歳代半ば、今の私よりずっと若かったのですね。

 当時、眼科ではコンピュータなどの機材も手術のやり方も時代の変わり目で、顕微鏡手術が普及し、硝子体手術が始まり、眼内レンズも急速に進歩した時代でした。清水先生は先駆的なことを率先して取り入れられたので、私はちょうどいい時に巡り合えたと思います。多くのことを学ぶことができました。

問い でも硝子体の手術がここまで普及してくると、バックリング手術など他の方法が行われなくなるようで、患者としては不安です。
  
松下先生

 手術というのはマニュアルを作って読めばできるものでは無く、経験から会得していくことが多いので、数を経験していれば、それだけ上手になることもありますし、また教科書的にはこういう基準で手術を選択すると知った上で、自分の経験を加味して最終的な判断をしますから、その時点で経験の少ない手術方法は選択されないかもしれません。

 バックリング手術の重要性を私は以前から言っているのですが、技術的にも難しく、件数が減っているのも事実です。そうなると、ますます選択されにくくなっていくのでしょう。時代の趨勢とはいえ、私達の世代ができることは何か考えさせられます。 

問い 先生は自治医大の頃から、本当に手術が好きという印象でしたが、今どのくらい手術をしているのですか。
  
松下先生

 一週間に2日は一日中手術をしていますし、その他の日にも手術を入れることもあります。病院内では運営のこと、対外的には認可関係の手続きで役所へ行ったり、さらに日本眼科医会の仕事もあって、多忙をきわめています。幸い健康なので、頑張っています。

 
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 お話の後、病院内を案内していただいた。以前からの建物に増築して全体を一新した施設は随所に眼科専門の病院らしい配慮がなされている。

 受付から視力検査、診察室に至る外来診療スペースの機能的な配置。白い壁に大きな字で書かれた表示板や案内板。非常階段のステップや手すりも、要所を鮮やかな色で塗って、目立つようにしてある。

 奥様の松下玲子先生が担当している斜視・弱視/ロービジョン外来は、小さい子供達が来るので、他の診療室から離れた二階にあり、幼児が安心して診療が受けられるように配慮してある。さらに診療室の外のスペースはプレイルームのように可愛いマットが敷かれ、玩具や絵本が常備してあるので、子供達が待合室で退屈することもないし、騒いで叱られることもなさそうだ。

 入院病棟はどの部屋もゆとりがあり、廊下も広くてすっきり。風呂の入口に「ゆ」と書かれた暖簾が下げてあるのが愉快だ。

 「ここが病院で一番心地いいスペース」と松下先生が言われるのがラウンジ。高い天井、大きな硝子窓から光が入り、明るい木目のフローリング、シンプルで美しいテーブルと椅子が並んでいる。入院患者はここで食事し、家族と団欒できる。

 案内していただいている間、病院のスタッフの方々と出会うと、誰もが嬉しそうに先生に話しかける。病院内にいきいきとした空気が満ちているという感じがした。

 大塚眼科病院

 住 所 :札幌市北区北16条西4丁目2番地
 電 話 :011-747-5211
 詳細はホームページで確認ください。眼の病気についての
 説明も 充実しています。
 
 

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