伊野田・池田先生を囲んで

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2003年総会グループディスカッション
伊野田繁先生・池田恒彦先生を囲んで
   

司会:堀池 眞輔 構成:山田 由紀子

【網膜剥離と黄斑円孔がかさなって】
  10年以上前、黄斑円孔で硝子体手術をしました。その後網膜剥離になってまた手術をし、網膜はくっついたようですが見ようとする所が全く見えません。手術をしないほうがよかったかなとも思っているのですが。
 10年前とのことで詳しい事情がわかりませんが、現在では黄斑円孔だけのときと黄斑円孔に網膜剥離が合併している場合とで手術に対する考え方は違います。剥離がおきているときはほっとくわけにはいかないので手術をしないといけませんが、黄斑円孔だけの場合、特に強度近視があると手術は複雑でリスクが高いので、手術の選択には大変慎重になります。

 私の患者さんでも、手術で見えなくなる可能性もあることをお話したら、中心は見にくいけれど周辺が見えて今まで通りの生活が可能だからと、手術はしないで定期検査だけで経過をみている人がいます。今のところ特に変化なく経過しています。
【超音波で予防?】
 眼に超音波をあてると黄斑部の病気の予防になるときいたのですが、本当でしょうか。
 医学的な効果は認められていないと思います。科学的には証明されていないでしょう。あまりまどわされない方がいいと思います。
【白内障と網膜剥離】
 強度近視で20代のときに右目の網膜剥離の手術をしました。その後定期検診で左目の剥離も見つかって手術をしましたが、最近になって白内障がでてきたということで目薬をつけています。最近の新聞に白内障の目薬は効かないとでていましたが、少しはましかなと思って続けています。網膜剥離があると白内障手術は難しいのでしょうか。
 網膜剥離で硝子体手術をうけていると白内障手術が少し複雑になることはありますが、普通は何の問題もありません。不自由を感じられるようになったら手術を受けられたらいいと思います。ただ白内障手術が網膜に全く影響を与えないということではないので、白内障手術だけをやっている病院より、網膜剥離もよくやっている先生のいる病院で手術を受けられた方が安心だと思います。

 白内障の目薬はそれで確実に予防ができるというものではないと思いますが、科学的には白内障の進行を抑える成分が入っていると証明された薬です。患者さんを通院させるためなどという記事は誤解だと思います。
【病院の先生がかわって不安】
 今の病院は20代からずっとかかっているのですが、最初の手術をした先生がいなくなったりちょっと不安も感じていて、他の病院にとも考えています。
 その病院の先生はよく知っていてきちんとした診療をされるので心配はいらないと思いますが、個人の大きな病院で大変患者さんも多いようなので、説明などに充分な時間がとれないのかもしれません。心配だったら他の眼科医の診察をうけることもよいと思います。
【剥離手術後の生活】
 会員になって会報が送られてきても、初めの頃は会報を見るのもこわくてすぐに開けませんでした。最近ようやく落ち着いて読めるようになりました。
 私も剥離の手術を受けて退院後、普通の生活に戻るには4ヶ月程かかりました。すっかり元通りになったのは3・4年後だったような気がしますし、今でも頭の隅にはいつも剥離のことがあります。また白内障手術など今では簡単に考えられていますが、やはり網膜剥離のことも考慮して手術をしてくれる病院を選びたいと思っています。
 手術をする側からいうと、元の生活ができるように治したいと思っています。急には無理かもしれませんが徐々に普通の生活に戻ってください。ただ定期検診はやはり必要だと思いますし、いつもと違うことがあったら、早めに受診して欲しいです。
【黄斑前膜の手術の時期】
 もともと強度近視があって加齢による黄斑前膜(上膜)といわれて通院中です。片目は視力が1.0くらいですが、もう片方の目が0.5で手術を勧められています。自分でもだんだん見にくくなってなったり何か白いものが見えたり自覚症状もでてきたのですが、手術はこわいし、この手術はこれ以上進行しないようにする手術なので視力が良くなることはないといわれていることなどで、まだ手術をためらっています。良いほうの目も最近まぶたを閉じていても光が見えたり不安はあるのですが、早く手術を受けた方がよいのでしょうか。
 この病気は黄斑前膜という名前の通り黄斑部の網膜の上に膜がかかってきた状態をいいます。黄斑部は視力にとっては一番大切な場所ですので、膜がかかってくると視力はおちてきますし、この膜が黄斑部の網膜をひっぱると物がゆがんで見えるようになります。

 一般的にいうと、まっすぐな線が波打って見えたりしてゆがんで見えるようになったら手術のことを考えた方がいいと思います。しかし手術をするか否かの判断は難しく、たとえば0.8の視力があるとすると手術のリスクを考えると手術を勧めないかもしれません。ただ0.5くらいになったら手術を勧めることが多いと思います。

 何故かというと、あんまり視力が落ちてからでは術後の視力の改善がよくないことが多いからです。たとえば0.1までおちてから手術をすると、見るようになっても視力は0.3くらいということが多いのです。車の免許は0.7の視力が必要ですし、この位の視力を回復させたいと思ったらもう少し早い時期に手術をすることが必要です。

 ただ手術をして視力が回復すると、ぼやけている時には見えなかった歪みを自覚するようになることがあります。黄斑部の膜はきれいに取れて視力は回復して手術は成功したと思っても、患者さんによっては歪みが気になって満足されないということがあります。この点も充分に説明をして納得されてからでないと手術はできません。

 やはり手術を決定する一番の決め手は、手術を受ける御本人が今の状態でどれだけ困っているかということではないでしょうか。職業、年齢、どんな生活をしているか、またご高齢で仕事もしていないけれど治せるものならリスクがあっても治しておきたいとおっしゃる方もいらっしゃいますように、その人の性格などによっても判断は異なると思います。

 手術そのもののリスクはありますが、硝子体手術の中では比較的シンプルで合併症も少ない手術です。手術をしないとすぐに失明するという病気ではありませんが、視力がどんどん落ちるようだったら、ある所で覚悟を決める必要もあるでしょう。主治医としっかりお話をして、たとえば0.5の視力が0.7になる確率はどのくらいか、手術の合併症はどのくらいあるかなど遠慮なく聞いて、決められた
らいいと思います。

【シリコンの影響か】
 10数年前に網膜剥離の手術をして何事もなく経過していました。最近駅の階段を下りるときに限ってですが、隅の方を見ようとすると、中心からちょっと左に何か見えるような気がします。大丈夫でしょうか。
 バックリング手術といって眼球の外側をシリコンで巻く手術をすると、多かれ少なかれ眼球を動かす筋肉に損傷を与えます。それで術直後に物がずれて見えたりすることはよくありますが、普通は2、3ヶ月すると元の状態に戻ります。詳しいことは検査をしてみないとわかりませんが、考えられることは眼球を巻いてあるシリコンの影響かなと思います。
【今までの先生をかえる時】
 医者をかえるということはどうなのでしょうか。かえてみたいと思ってもなかなかできないのですが。
 今までの主治医がいなくなったり、遠方に移って物理的に通院できなくなったり、また診療に不安を感じたり、主治医をかえたい理由はいろいろあると思います。

 かえるというよりは他の先生の意見も聞いてみるという感じで、もっと気楽に考えていいと思います。実際、セカンドオピニオンとしての意見を求められて、前の医師の診療に疑問を持つことが全くないわけではありませんが、ほとんどは問題がないことが多いのです。

 何かあっても診療内容ではなくて説明が充分に届いていないとかのちょっとした行き違いのためということが多いような気がします。ですから医者を変えて全く関係をなくしてしまうというよりは、セカンドオピニオンの意見を聞いて新たな気持ちでもとの医者に戻ってもいいわけです。

【他の先生に診てもらうと・・・】
 他の先生にみてもらったら、今までの先生は気分を害して次から診察してもらえなくなるのではないかと躊曙してしまいます。
 そういう先生だったら行かないほうがいいのではないでしょうか。ずっとみている患者さんに「他の病院にいったらこんな風にいわれた」といわれたら、テストをされたみたいでちょっとドキドキはするかもしれませんが、それだけです。

 また主治医がその患者さんに良かれと思って事実を全部告げていなかったという経験もあります。患者さんが主治医から聞いていることと眼底所見が少し違っていたので、セカンドオピニオンとしては随分迷ったのですが、患者さんに事実を告げて主治医にもお手紙を書きました。主治医は他の病院に行くのを知らなかったのですが、事実を告げなかった理由を話して患者さんも納得され元に戻られたようでした。
 私も気にしません。患者さんに頼まれてセカンドオピニオン向けに紹介状を書いたこともありますし、そういう医師が増えていると思います。自分のことを大事に考えて、必要なときには躊躇しないでセカンドオピニオンを求めてください。
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