西山・伊野田先生を囲んで

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2004年総会グループディスカッション
西山功一先生・伊野田繁先生を囲んで   

 1年前、網膜剥離で右眼を手術したが、今も痛みが取れない。じっと寝ていても、取れなくて、今も痛い、担当の先生は網膜剥離の後遺症といいますが、歪みもひどい。こういうのは普通なのか、視力も半分しか回復していない。
 痛みは慢性的というが、どういう痛みですか。
     
 眼の中にゴロゴロしたものが挟まっているみたいです。
 貴方の手術方法はバックリングだということですが、シリコンを縫いつけるときに強く縫ってあったりすると、それが原因で痛みが残っているかもしれません。

 しかし普通は網膜剥離の手術をして、部分的に当て物をする形だとそんなに違和感は残らないはずです。がしかし剥離した孔が大きかったり、難しい剥離ですと、かなり大きな当て物を縫いつけることもありますし、輪状締結といって眼球全体を縛るような処置をすることもありますから、強めにそれが行われたとすると、何時までも、締めつけられるような嫌な感じとか、引っ張る感じが残る場合があります。

 歪みは、恐らく術前に黄斑部が剥離していた可能性がありますね。そういう場合、上手に手術してくっつけても、元の位置に綺麗に戻るのがベストだが、少しずれてくっつくことが多く、その場合歪みが出てきます。また術後に黄斑部に膜が張ってきて、それが縮んで、黄斑部に搬が寄ると歪みが出るといった事もあります。手術した方の10から20%の方にそういう変化が起こる場合があります。

 膜による歪みならば、その膜を外すという手段もあります。ただ、剥がれた網膜を戻すときにちょっとずれて戻ってしまったのであれば、手術の適応はありません。ご心配でしたら一回診察させて戴だければ、はっきりするでしょう。
     
 もう片方の眼も痛いので剥離が心配ですが。
 網膜剥離のために眼が痛むといったことはありません。乾き眼、今言われているドライアイ、疲れ目による眼球疲労で痛むことはあります。眼のことにばかり神経を集中していると、何時も痛いように感じることはあります。網膜剥離で痛むことはありません。片目だけで見て視野に異常があったら直ちに診察を受けてください。いたずらに心配しすぎないように。
     
 私は左眼を10年前に眼底出血で、下を向いて2ヶ月過ごし、ようやく目頭の方は暗いのですが半分だけ見えるようになりました。最近右眼の視力が落ちて、診て戴いたら、白内障らしいのですが、網膜剥離になりやすい人は、ちょっと手術が難しいと言われました。
 貴方の眼鏡を見ますと強い近視のように見えます。出血は黄斑に穴が開いたせいで、剥離を起こしたということですね。手術後ガスを入れて2ヶ月頑張られたのに、半分しかつかなかったのですね。10年ぐらい前だと残った眼の網膜を復位したとしても視力は戻らないでしょうね。右眼に白内障がかなり出てきていて、むずかしいということですね。

 昔は白内障手術で網膜剥離になりやすいと言われたこともありましたが、手術の形もどんどん変わってきましたし、今の白内障の手術としては、水晶体をとって眼内レンズをいれる形ですから、その所為で網膜剥離になることはありません。

 ただ白内障を専門にしておられる先生ですと、もしなったらどうしようということがありますので、すぐ、やりましょうとは言われないかもしれません。私どもは網膜剥離も白内障も専門にやりますから、もし網膜剥離を起こしたとしても、すぐ対処できますから、網膜剥離も治してしまいます。

 白内障で見えないのであれば、そのまま放っておいては、だんだん不自由になるばかりでしょうから、網膜剥離が良くわかる先生のところで、手術を受けられれば、まず心配はいらないと思います。
     
 その場合、剥離手術を先にするのでしょうか。
 右眼が剥離を起こしていなければその必要はありません。まず白内障の処置を考えればよろしいのです。
     
 去年の3月に網膜剥離の手術を受けました。その時水晶体を取り、3ヶ月ばかりそのままにしていました。それからついこの間、眼内レンズを入れるまえにコンタクトレンズをつけて様子を見ることにしたのですが、歪みがひどくて、レンズを入れていられないのです。
 網膜剥離の手術のときに剥離した網膜がぴったり元へ戻らないと、歪みの原因になります。手術の後、うつ伏せで10日ぐらい過ごされたということですので、ガスを入れてぴったり黄斑部が復位させようとしたのではないかと思います。しかし、わずかのことで、ずれがあって歪みが残ったのかもしれません。普通はうまく行くのですが、こういう方もおられるかと思われます。

 コンタクトを入れて歪みが出てくるようでは、眼内レンズを入れると、さらに歪みがはっきりしてくることになります。直接、この方の黄斑部を診てみないとはっきりしたことはいえません
     
 先日伊野田先生のところで手術を受けました。それでお伺いしたいのですが、視力検査をして戴きましたときに、視力は両方とも変わりないと言って戴きましたが、手術したほうの眼は少し落ちているような気がします。両眼で見ると、以前はかなり鮮明に見えたのが今は少しもやがかかったように見えます。それは白内障が出ているからだと先生はおっしゃいました。水晶体を取ると、以前のようになりますか。
 (伊野田先生)微妙なところの視力はかなり予測が難しいです。視力とは二つの点をわけるということでものを見る能力を測っています。二点分離能といいますが、それ以外にも薄暗い所でも分離ができるとか、コントラストの違いが分かるとか、いろいろな能力が合わさって物を見ている、全体のものを見る能力はそういう形で決まってきます。視力はその中の一つの要素でしかないのです。ただ視力がいいと、全体の見え方は良くなると言うことで、視力が見え方の代表、視力はその指標だと思います。

 白内障がどの程度あるかによって、ある程度の予測はつきます。同じ1.0の視力が出ていて、ちょっと前より見え方が悪くなったんだけど、白内障の手術をすれば、それが1.0とか1.2になって、元のようになるかと言われると、そういうレベルで聞かれると、ちょっと難しいとしか言い様がないです。

 一つは物を見る能力は眼だけではありません。眼は光を受け取る視覚の一時処理と僕はいっています。処理をして脳に伝え、脳の後ろの後頭野でいろいろ判別する、ですがそれは判別するだけであって、例えばこれが鉛筆だとか、男とか女とか見分ける能力は前のほうの聯合野で、行われているわけで、眼の機能だけが正常であれば同じにものが見えるかと言うと、必ずしもそうではないのです。

 例えば日本人は日本人を区別することはできます。しかしドイツ人とフランス人を区別するのはなかなか難しい、我々は中国人韓国人の区別はつくが、多分ヨーロッパの人たちは区別がつかないのではないかと思います。僕などアメリカではチャイニーズ、中国人かときかれますから。

 物を見る能力は目に入った情報だけではなく、それを情報処理する頭の中の領域があります。年を取ると全体に老化が進んできます。その分を予測し、白内障の程度を診て、患者さんの性格によって手術したほうがいいかどうかも考えます。

 ですからその意味では、程度がひどくないから手術しても御利益はないかもしれないと言うことです。もう一つは、白内障の手術に関して言うと、10年ほど前のことなのですが、開業医の奥さんが視力が0.9になって、見づらいから手術してと言われてしたのです。

 術後視力は1.2でました。開業医の先生の事務をやっているということで、近くが良く見えるようにアレンジしたのです。ところが手術の後怒っているというその原因が、仕事はどうでもいい、私は眼鏡をかけないでゴルフをしたかったというのです。ゴルフをするのには遠方視力が必要だったと思います。つまり眼鏡なしで仕事はできるが、ゴルフは不自由だということです。

 眼内レンズを入れてしまうと、視力の調節はできない。これが65歳未満の方だったら、調節力は多少残っていますから、あまり早いうちに白内障の手術をすると折角の調節能力まで失うデメリットが出てきてしまいます。65歳を過ぎると、調節力が殆ど無くなっていると考えられるので、手術のデメリットはないでしょう。ただ色に関して最初手術した後に青白く見えるとか、色の感覚が違ってみえると思います。それを不愉快とか、眩しいとか言う方がいます。

 また眼内レンズは回りに、レンズとの境があるわけで、そういうところに光の加減で変な輪のようなものが見える、普通では見えないものが見えると言った言い方を、まあ副作用というか、合併症というか、いろんなことを考えたうえで、その時期に手術をするかしないか決めたほうがいいと思います。

 視力としては、手術すれば出ると思いますが、それが満足につながり、幸せと思えるかは別の問題だと思われますので、そこまでお考えになって、主治医と相談して決めたほうがいいのではないでしょうか。
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