関西懇話会質疑応答

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2005年関西懇話会
大阪医科大学眼科学教室 植木麻理先生を囲んで   

【緑内障の目薬と手術】
 眼圧が高いと言われ、4種類の目薬を注しているが、測りに行くときによって19ぐらいになったりするので、手術を進められています。目安は いつにしたらよいでしょう。
 緑内障は眼が固くなって眼の神経を圧迫することで、神経が障碍される病気です。正常眼圧は10から21までといわれている中で、最近多治見市と言うところで患者を調べた結果、眼圧が正常なのに神経が痛んでしまう正常眼圧緑内障というのが一番多いという結果が出ました。

 40歳以上の方で、3.6パーセントぐらいありまして、開放外角緑内障、すなわち眼圧の高い方の緑内障は1%ちょっとで、2%に満たないということでした。日本人では正常眼圧で緑内障という場合が多くて、しかも 70歳以上になると、高眼圧緑内障と、正常眼圧緑内障の両方で10数%になるというデータがみられます。

 今のお話では4種類の点眼薬を使って、眼圧が15から20の間ということで、多分眼圧の高いタイプの緑内障だと思います。緑内障の原因は生まれつき持っている眼の中の水の流れが問題なのです。

 高眼圧の緑内障には2つのタイプがあります。瞳孔を拡げたり縮めたりするだけでも、眼圧が上がるタイプの方は閉塞隅角緑内障といって日本では中高年の女の人に多いのです。そして遠視の方に多いのです。

 お見かけしたところ、あなたは眼鏡が近眼が強いタイプのように見えますので、多分高眼圧の開放隅角緑内障で治療を受けているようですね。まずこのタイプでは目標眼圧を設定して治療を進めていきます。

 視野がどのぐらい残っているか、神経がどれぐらい丈夫かによって目標眼圧を設定します。視野欠損がかなり進行した状態であれば、4種類の目薬を使ってもなお眼圧が 15と言うのは高いほうですから、必ず15以下を維持するようにすれば、視野欠損の進行は押さえられると思います。

 しかしおっしゃるように4種類の目薬を注し続けることも大変です。1種注したら、5分待って次を注さないと、周囲にこぼれたりまざったりして効き目がなくなってしまうからですね。キチンと点眼できるのは 3種類ぐらいまでとも言われています。しかし、手術が緑内障の患者にとっていいかと言うと、緑内障の手術成功率が5年間効いているというのは8割程度とされています。

 もし目薬で眼圧のコントロールができて、視野狭窄が進まなければ、薬を使うのが一番望ましいと思われます。緑内障を進行させないためには、眼圧を上げないということですが、日常生活ではパソコンをしても、コーヒーを飲んでも、長風呂にはいってもなにしても構いません。必要なのは小まめに眼圧を測りに行っていただいて、目薬を 5分ごとにわけてきちんと注入することです。

 私どもでは、眼圧を測りに来ていただいて、眼圧の値が低いのに視野欠損が進む方の場合は、一泊してもらって一日中、眼圧を3時間ごとに測ります。これは夜中もです。寝る前に高いとか、早朝に高いとかその人によって違ったパターンがあります。そのパターンがわかったら、「高い時点でもう一つ薬を注しましょう」というようにコントロールします。

 だから、あなたも診察を受けに行かれるとき、朝行かれたり、夕方行かれたりとやってみて、もしも夕方のほうが高いとわかったら、担当の先生も薬のほうを変更されたりできるでしょう。

 もう一つは5分ごとの点眼もかなり大変なので、食事前とか後とかは関係ないので、つまり何時さしてもそんなに効果に変わりはないので、朝起きてすぐ一つ、歯磨きのときに一つと、時間を分けて注すのも一つの方法かとも思います。 2年間の間に自分で自覚ができるほどの視野狭窄が進んでいれば、そして4種類の点眼剤をさしても眼圧が15とか19とか、その度に違うのであれば、手術が必要かなと私でしたら考えます。
     
【剥離の再発】
 私は両眼網膜剥離で手術を受けました。これからどのようにしたらよいでしょう。パソコンを続けてもいいでしょうか。白内障はサングラスが必要でしょうか。
 まずパソコンを使用することによって、網膜の剥離が再発するとか、何か別の病気が起こってくるとかいうことはありません。ただし眼の病気、例えば白内障でグレアといって光が目の中に入って拡散してしまって、それで普通の人より疲れやすくなるということはあります。ですからパソコンもそういう意味で、疲れない程度にする、あるいは疲れたら必ず休むということをくり返して続けるなら、眼に悪影響はありません。

 白内障が出てきたらサングラスということですが、普通売っているものは、100の光があったら70にカットして眩しくないようにしますというものです。もともと眼の病気をした方では、 70にカットしてしまったら余計に段差などが分かりにくくなってしまいます。ですから、まずそれを掛けて試してみて、不安感がなければそれでいいと思います。

 そうでなければ価格の点で高くなりますが、遮光レンズというのがあります。以前は網膜色素変性症の方のみが使っておられましたが、白内障や糖尿病網膜症の方にも有効です。

 人間が眩しく感じる光は黄色に限定されているので、眩しく感ずる光をカットする特殊なレンズがあります。こういうレンズだと暗い所ではちゃんと見えるし、眩しさもカットされるので便利です。

 これは眼科で処方されます。その人が眩しさを感ずる波長は、人により微妙に違います。それでロービジョン外来のある眼科では特殊なそしていろいろな遮光レンズがあるので、お天気のいい日に検眼してもらい、あったレンズを選べばいいと思います。
     
【隻眼に網膜剥離が起こる可能性】
 私は網膜剥離で片眼手術しました、もう一方の眼がなる可能性はどれくらいでしょうか。
 網膜剥離を起こした眼の反対側の眼が剥離を起こす可能性は普通の人よりは多いです。網膜の中に格子状変性といって、網膜の薄くなっている性質を生まれつき持っている方がいます。この格子状変性は網膜剥離になりやすいと言われています。十人に一人くらいは網膜格子状変性を持っています。しかし網膜剥離を起こす方はその中でも 5千人か1万人に一人くらいと、確率的には低いのです。

 しかし片眼が網膜剥離だった方は、小まめに定期検診を受けられるか、ご自分で、今日は黒いものが沢山飛ぶとか、暗い部屋に入るとピカット光るものが最近増えたとかと言うようなときには、早めに診察に行っていただいて、網膜に弱いところがあればレーザー治療を受けるなど早めに対処されることだと思います。発症しても早期に治療を受ければ、恐れることはありません。
     
【手術から10年経ると】
 11年前にアトピーから網膜剥離で両眼手術しました。4年前片方がまた剥がれてしまいました。今は落ち着いていますが。
 網膜剥離の手術から10年たっておられるのですね。10年たっているとまず大丈夫だと思います。手術直後は眼の中に炎症があるのでときどき、サイトカインといって、再増殖を起こすような物質がどんどんとんで網膜に膜が張ったり、新たに穴が開いたり、塞がった孔がもう一度開いてしまったりを、くり返すことはあります。しかしそれも3年たって大丈夫でしたら、まず大丈夫と思ってもらいたい。あなたは7年後にまた剥離されたのですね。
【硝子体手術後の自内障】
 硝子体手術をしてコンタクトレンズで視力の調整をしていますが、白内障になるのでしょうか。
 硝子体と同時に水晶体を取ってしまっているので、白内障にはなりません。また通常水晶体の調節能力がなくなって老眼になるのですが、それがないので、今のままのように近くを見るときはレンズを使われていると思いますが、その状態のままで移行すると思います。
【後発白内障について】
 私は網膜剥離の手術後、白内障の手術を受けると、その後しばらくして急に見えなくなると聞いたが、そういうことがあるのですか。
 多分後発白内障のことだと思います。白内障の手術のときに中のレンズ(水晶体)は、いわばサランラップに包まれた状態であるのを、サランラッブの前側に穴を開けて、中のレンズを砕きながら取り出して、今度は人工の眼内レンズを入れるということをします。この時どうしても端の方に取り残した水晶体が残ってしまうことがあります。

 そこから何ヶ月か、または何年かして、膜に沿って細胞が増殖してきて、膜自体が濁ってくると、白内障と同じようになるのですが、今度はこの膜にレーザーで小さく穴を開けるだけで、また光が入って元のように見えるようになります。通院で1分もあればできる治療です。ただこのとき膜が前方移動して硝子体もちょっと前に出てきて、網膜剥離を起こす方が1万人に一人くらいあります。

 もし心配なら眼底を検査していただいて、裂孔の回りがしっかりレーザーで焼いて囲んであるかどうか、また以前の網膜の裂け目に硝子体がくっついていないかを調べてもらいます。硝子体が完全に眼底からはずれてしまっているなら、レーザーをかけても問題ないのです。だから今見にくいようだったら、小さく孔を開け、少しずつ拡げるというように2段階に分けて行えば、剥離の心配はないと思
います。
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