《2006》総会グループディスカッション

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2006年総会グループディスカッション
野田  繁先生に聴く

  私の息子が12・3年前、2才の時ににJ医大で手術してもらいました。多分バックリングというのでしょうか、それが今眼のはしに出ていて、気にして障るのですが、放っておいていいでしょうか。
 僕はその医大に25年前からいました。J医大ではバックリングの時にシリコンロッド、シリコンタイヤといわれるものを使っていました。シリコンで出来た、中身の詰まった比較的固い物質です(シリコンといっても中には柔らかいものなどいろいろあ
ります)。生体適合性が非常にいいとされていて、今まで問題が起きたことはありません。

 ただし、強く眼球を結んだ場合とか、眼球の壁が薄くなった場合シリコンが中にめり込んで、網膜の内側まで来ている場合があるんです。そうなっても大きな問題にはなっていません。ですから年月がたっているからということは考えなくてもいいと思います。シリコンの物質の回りに薄い皮ができてその中に包み込まれるといったイメージをもって下さい。

 お話では端が出てきて触るということですが、それは手術で取ることができると思います。取らないでおいてもいいのです。手術は剥離の手術よりもずっと簡単にできます。現在15才ということでから、もう少し大きくなってからのほうがいいでしょう。大学生ぐらいになると、局所麻酔で取ることができますから。

 息子のことですが、16年前にボールが目に当たって網膜剥離になりました。視力が0.05ぐらいになり、斜視になったのを治したいのですが。今29才です。
 眼は本来左右同じものを見ているのですが、近くの物を見る時は、内側によりますね。ずれていると頭のほうが認識して、指令で眼が動くわけです。常に同じものを見るためにです。ところが片方の目の視力が悪いとその指令が出なくて、ずれていても気づかないで眼は勝手に動いてしまう。

 手術して見ためは同じ方向を見ているようには出来ます。しかし永続的に外から見て斜視じゃない状態になるかというと難しいのです。視力がないからです。でも見ためを気にする方は手術で見ためをよくします。

 女性、特に結婚を控えた方は見ためだけでも治したいということでします。この場合、手術の後、傷が治るために半年ぐらいの余裕がほしいです。結婚式直前じゃないほうがいいでしょう。見ためは良くなっても時間が経つと戻るか、内によってしまう可能性があります。

 今年3月網膜剥離になり、バックリング手術を受け、かなり見えてきたのですが、1ヶ月後に再発して難治性の増殖膜網膜剥離ということで硝子体手術をしました。またその1ヶ月後に増殖性硝子体網膜症といわれ、シリコンオイルを入れていました。9月にまた再手術といわれています。視神経がかなり弱っていて、剥離が治っても視力はあまり良くならないといわれているのですが。
 右だけで左は何ともないのですね。年齢は38才ですね。今シリコンオイルが入っているから見えないということはない。網膜がオイルの下で完全に復位していれば、見えるはずです。シリコンオイルを交換する手術をやるといっているのですね。診察をしないではこれ以上わかりませんから、セカンドオピニオンをもらったらどうですか。担当の先生にもう一度聞いて、今見えていない状態の理由をはっきりさせたらどうでしょう。

 手術をしても100%視力が回復するということはありません。しかし今ある程度の視力の回復がないというのは、その原因が網膜かあるいは外のことのためかは、はっきりわかることです。あなたの行かれているのはK病院ということですが、確かセカンドオピニオン制度も確立されているはずです。再手術でどの程度治るかははっきり聞いてよいのです。
 私は網膜剥離で、発見されたときはすぐ手術しなくてもということでしたが、1年後に硝子体手術をしました。網膜の付きが悪くガスを入れました。その後すぐに黄斑パッカーができて再度手術しました。矯正視力は0.1ぐらいなのですが、歪んで見えるので、悩んでいます。

 両眼では見にくいので片目で見たりしています。また今年おなじ左眼の違う場所が剥離して、再手術をしました。歪みは前のときと同じで続いています。担当の先生は完全に治っているから歪みもしばらくすると治るようなことを言われているのですが。

 きちんと剥離したところがついているのならもうどうしようもないですね。しかし良かった視力がどうして悪くなったのかはちょっと合点が行きません。通常、網膜剥離の手術後二ヵ月ぐらいで0・6ぐらいに回復しています。黄斑パッカーも、早めに手術をすれば、視力の戻りも普通はいいのです。あなたの場合も比較的早かったと思うのです。

 だが実は黄斑パッカーの手術でも歪みは取れません。というのも見ためは平らになったようでも雛は完全に元どおりにはならないものです。雛のよった布を乾かしても細かい綴はなかなかとれません。

 手術は視力を良くするためするので、視力が0.1の場合、大きい歪みは気がつくが、細かい歪みには気づかないのです。視力が良くなると細かい残りの雛が歪みとして気になります。あなたの場合視力0.1でそんなに良くなっていない。いえることはぴったり網膜がついている場合、残った搬は元にもどらないのです。

 両眼強度近視で、矯正視力は0.9ぐらいですが、左眼に視野欠損があって、先生から萎縮が起きてるのではないかと言われていますが。
 強度近視では眼球が前後方向に伸びるのですが、網膜が一緒に伸びなくて、薄く分離することがあるのです。これは剥離ではないのです。網膜は10の層から出来ていて網膜剥離は、1番外側の網膜色素上皮と残りの9層とが分かれるのを言います。ところが中の何層めかが剥がれることもあり、これを網膜分離といいます。硝子体と網膜が眼球の伸張に伴っていかなければならないのが、ついて行けず分離が起こります。そうなって見え方がおかしいとか視力が落ちることがあります。

 手術も出来ます。あなたは視力は落ちていない、上下の視野がおかしいというのであれば網膜の状態が気になります。萎縮は網膜が伸びていくと、外側の網膜色素上皮の細胞も薄く伸びてしまう、この細胞は力ーテンの暗幕のような役割をしていて、暗幕を引き延ばすと生地が薄くなって光を通すようになる。細胞が薄くなった状態を萎縮と呼ばれたのでしょう。近視になると眼底写真で見ると普通はオレンジ色なのが、白くなっている、その状態を脈絡膜萎縮と呼んでいます。白く見えるのは強膜が透けてみえているの
です。

 どうしても気になるなら視野検査を受けたらどうでしょう。暗く感ずるというのは、もし網膜が剥がれていないのなら説明がつかない、検査を受けてみてください。網膜の厚さは0.02ミクロン、透明です。強度近視の場合、白くなっているので反射がわかりにくいのです。OCTなどで検査をお願いしてみるのはいいことです。
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