〔2007〕関西懇話会

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〔2007〕関西懇話会
「質疑応答」
  
回答 大阪医科大学 池田 恒彦先生 
【前立線の病気で白内障の手術】
 私は前立腺の病気で泌尿器科に通って薬をもらっています。6ヶ月経っても効果がないようだったら手術をする必要があると言われています。お尋ねしたいのは、白内障の手術を受ける必要が出てきたときは、この薬を飲んでいると合併症が出るから注意が必要ですと、泌尿器科の先生からいわれたことです。薬は毎朝飲んでいます。
  合併症というより、虹彩がやられてしまうのです。虹彩というのは、光の量を調節する働きをする大事な器官です。茶目のところの大事な筋肉なのですが、それが緩くなってしまう。カメラでいえば絞りの役をしているのですが、絞ったり開いたりするのがこの薬のせいで張りがなくなってしまう。

 虹彩はある程度の堅さがあって、目が開いているときもふらふらしないのが本当なのに、この薬を飲んでいる方は、虹彩がぺらぺらして緩んで波打ってしまうのです。白内障の手術は慣れた術者であれば十分できます。ただ気をつけてやらなくてはなりません。今一番困っているのは、白内障の手術を受けに来た患者さん自身は何もご存じなくて何もいわれないのでいきなり手術になってしまうことです。そうするとうまくいかない。

 必ず手術する先生に了解してもらってから受けることです。虹彩がぺらぺらなので手術がやりにくい、術後の炎症がひどくなります。手術はできないことはないのです。前立腺の場合ほとんどの薬にそういう副作用があるのですが、なかでもハルナールは一番強いとされています。ましなのもあるようですが。

 しかし慣れた先生なら大丈夫でしょう。これはまだ最近解ったことなので、日本眼科学会がやっと注意事項の文書を出しましたので、ほとんどの医師は知っていると思われますが。ただ情報を得ていない眼科医もいるかもしれません。そういう手術をしたことのない眼科医もいるかもしれません。できたら経験のある眼科医にしてもらったほうがいいかもしれません。
【網膜剥離の3回目は】
 私は2度網膜剥離の手術をしました、1回は7年前で、次は去年でした。同じ右目でした。それでまたならないかと不安です。日常生活で重いものをもったらだめとか、車の運転は良くないとか言われますが、どうでしょうか。
 7年前と去年ですね。普通6年間落ち着いていると、大概収まるものなのです。網膜の弱い方はここを治してもまた隣がなるということもよくあります。なかなか難しいのですが、多分年齢が進んでまた弱いところが出てきたということもあります。輪状締結といって弱っているところはスポンジを当ててぐるっと巻いてしまうのですが、それでも弱いところはまた剥がれてしまうこともあります。100%の予防はなかなか難しいのです。網膜が薄くて、硝子体が年齢とともに縮む時、引っ張られて穴が開くので、予防ができないのです。

 日常生活で重いものを持ってはいけないというのは、重いものを持つと力を入れますね。その時血圧が急に上がって血管が切れて出血することがあるので、重いものを持つなというのです。糖尿病などの方はそういうことで目から出血されることが多いので、注意が必要です。網膜剥離の方は多少重いものなら大丈夫かなと私は思っています。

 自転車や車の運転で目を忙しく動かすのは、目を振動させることになり、確かに網膜も引っ張られて穴が開きやすくなるかもしれませんが、それじゃ何もできなくなる。まあ僕はいつもの生活をしていただいていいと思います。ただ激しいスポーツはやめましょう。

 特に目を強くぶつけたりするのは良くないです。「ぶつけたときは大丈夫と思っても、念のため診察に来てください」ということはいいます。何をしていなくても加齢によって硝子体は縮んでいきますから、日常生活を制限するより、定期的に診察を受けていくほうが大事です。

 自覚症状が大事なので左目を覆って右目だけで異常はないか自分でも時々しらべてみましょう。暗闇に光が走るとか、飛蚊症はないかとか、症状に変化が出たときは診察に来てください。
【白内障と緑内障】
 私は10年ほど前に「会」に出て近視の強い人は網膜剥離に気をつけるようにいわれました。有難いことに剥離にはなりませんで今日まで来ましたが、白内障が進んで去年九月に手術しました。その時緑内障が進んで眼圧が25ありました。すぐお薬をいただいて11まで下がりました。

 白内障手術後は子供のときからかけていた眼鏡もなしでいられるようになりました。よくみえます。術後に仮の眼鏡をかけ、半年経って視力が良くなってきました。網膜が薄くなっているから気をつけなさいとは言われています。
 よく見えるのは網膜の中心の黄斑部がきれいな状態だからでしょう。普通は近視が強いとそこがいたんでくるのですが、近視は年を取られても進行します。70、80歳でも進行します。眼鏡を替えていかないといけないですが、眼鏡を替えても見れるうちは大丈夫です。また近視の方は眼圧が高いのです。それを注意しなくてはいけません。しかし不思議なことに白内障の手術をすると進行は止まってしまうのです。

 緑内障の今使っている薬はめったな副作用はありませんが、一番多いのは虹彩の色が変わってくることです。色素が増えてくるのです。またまつ毛が増えてくることぐらいです。まれに黄斑の真ん中に水ぶくれを作ることがあります。自覚症状として視野の真ん中が暗くなります。点眼をやめると元に戻ってきます。そのときは別の目薬に替えます。
【左右の視力のアンバランス】
 去年の暮れに右眼の網膜剥離の手術をして、今年1月15日に退院しました。その後視力は0.4ぐらいになりました。左は眼鏡をかけて1.2あるので、バランスが悪く見えにくいのですが。
 あなたの場合黄斑部に及ぶほどの剥離のようでしたね。その場合、治ってもなかなか視力が出にくいのです。一般に剥離が黄斑部まで及ぶと、復位しても視力はせいぜい0.5まで出るのをいいとしなければなりません。

 ただ視力の回復は時間が必要で、半年から1年ぐらいかかります。まだ退院後4ヶ月ということですから、もう少し回復の余地はあるようです。それまで眼鏡を掛けて視力を補うのですが、確かにそれくらい差があると難しいでしょう。それでコンタクトを入れてさらに眼鏡で補うというふうになります。

 そして、そのままで、左は白内障にはなっていないということですから、白内障が出たとき、今度は眼内レンズを入れて、その時調節してもらいましょう。多分左の近視の度を減らすようになると思います。時間がたって症状が改善されたという方は結構多いですから。
【再発が心配】
 30歳になる娘が8年前に網膜剥離の手術をしました。今年また今度は白内障の手術をしました。剥離の心配はないのでしょうか。小さいころからアレルギーで、なにか網膜がうすいのだそうですが。
 アトピーで穴が開くのは網膜の端のほうが多いです。ただアトピーでは炎症が起きて網膜が弱って剥離を起こしやすいことはあるかもしれません。それより眼が痒いのでたたく人が多い、痒くてたまらないからでしょうが、叩くのはボクシングの軽いのと一緒で目には非常に良くないので、ぜひやめさせてほしいのです。年齢が30歳ということで、皮膚炎のほうは綺麗になってきているでしょう。それと一緒に時間が経つと目のほうもだんだん落ち着いてくると思います。

 ちょうど20代は網膜剥離も白内障も起きやすいのですが、それを抜けて落ち着いてきますよ。バイクの振動を心配しておられるようですが、平地を走っている分には大丈夫でしょう。定期検診を欠かさずに、眼はたたかないようにしていれば、そして何かおかしいと思ったらすぐ検診に来てください。
【受験勉強に夢中で】
 孫が高校生で大学入試の勉強中です。前の方と同じで子供のころからアトビーがあって、食物のことはうんと気を使ってきました。最近同じような受験生で、目が悪くなっていることに気がつかず失明してしまったと聞きました。親は全く気がつかずかわいそうなことをしたと悔やんでいるそうです。そんなことがあるのでしょうか。
 受験勉強に夢中で目が悪くなってしまったという話は聞いています。アトピーで眼が痒くてかきむしったり叩いたりしたことか続いて網膜が剥がれてしまったか、白内障が進んで失明したか、いずれにしても親は気がつかなくとも本人はどこか変だと思ったはずです。

 こうした事態にならないためには、片目で見てみるといったことが大切です。いつも見ているカレンダーの数字などが丁度良く、片目で見て波打っていたとか、視野の中に暗い部分、欠けている部分などないか、チェックしてみると良いでしょう。普通中心から下は良く見るのですが、上側とか、真横とか案外見ないものです。目の体操をするつもりで、朝起きたら鏡を前にして上下、左右、斜め横などあらゆる角度で目を動かしてみることなども、おすすめします。
【ステロイドの影響】
 友人で潰瘍性大腸炎とかでステロイド剤を飲んでいる人がいますが、眼に影響があるでしょうか。
 短期間の服用なら心配ないでしょうが、例えば1年間にわたっつて飲んでいる場合、影響が見られますね。白内障とか緑内障ですね。白内障は症状が出てわかりやすいですが、緑内障は眼圧が上がっていても気がつかないかもしれない。視野が欠けて吃驚するということになるので、早めに眼科の検査をされたほうがいいでしょう。

 こうした薬はやめても1ヶ月くらいは影響が残るので、手術などの場合もやめてすぐではできません。かかっている医師同士連絡しあって治療に当たってもらうのがいいのです。患者さんを通して医師同士が綿密に連絡しあってもらうのが一番ですね。
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