〈2009〉関西懇話会

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〈2009〉関西懇話会
「質疑応答」
   
回答:大阪医科大学 池田 恒彦先生 
 昨年末に網膜剥離の手術を2回しましたが、まだ完全にくっ付いていないので再剥離したら硝子体手術になると言われました。手術は観音開きだったようですが、どんな術式でしょうか。
 シリコンスポンジ(タイヤ)という素材を眼球の壁に縫いつけて、内側に窪ませる方法で、それが後から出て来ないように観音開きに強膜を切って開いて、それを埋め込んで上から被せる方法ですが、今はあまりやられていません。

 今は、直接強膜に縫い付けるという方法が主流です。観音開きのメリットは、後から出て来にくく、角膜に近い所だとスポンジの隆起が目立ち難い等があります。診察してみないと詳しいことは分かりませんので、診させていただければ分かると思います。
 30年前黄斑円孔をレーザーで治療しました。良い方の眼でも一6位あった視力も今は0.5〜0.6位で、近視が強くなりました。
 1993年から黄斑円孔を閉じる硝子体手術が出来るようになりました。ですから今はレーザーは剥離が起こらない限りあまりやらなくなりました。近視が強いと眼球がラグビーボールのように楕円形に伸びて、網膜の一番大切な黄斑部も薄くなります。何か起こったら、早く受診して下さい。
 網膜剥離の手術を左眼は25年前にして、右眼は15年前に3回(シリコンオイルを入れるなど)手術をしました。左眼は視力がなくなり、右眼が5年前から眼圧が高くなり、緑内障になりました。

 今は3ヶ月に1回通院して点眼治療しています。眼圧は18〜19です。点眼薬を止めたいのですが。

 硝子体手術をすると一定の頻度で緑内障になる方がおられます。シリコンオイルを使うと増えるといわれています。緑内障は40歳以上の20人に1人はなるといわれてる多い病気ですが、元々緑内障の体質を持っていて、手術がきっかけになることもあります。

 眼圧が18〜19でしたら、点眼薬を減らすとか止めてみて眼圧が上がらなければ良いのですが、私の経験から申しますと点眼薬を続けなければいけない方が多いです。眼圧によって障害される視神経の程度には個人差があります。眼圧が下がって3ヶ月に1回の視野検査での現状維持でしたら、点眼薬を減らして様子を見ても良いかも知れませんが、主治医の先生に相談されると良いと思います。
 4年前から10回位網膜剥離の手術をしてシリコンオイルを入れたり、水庖性角膜症になったりして、片眼は見えていません。黒目の下が膨れたり、引っ込んだりしています。
 むずかしい網膜剥離だったようですね。それは、結膜嚢胞と言って何回も手術していると傷口が付きにくくなり、傷が治っても結膜の下に水が湧き出て水膨れの様になります。しかしそのまま経過をみても、たいていは大丈夫です。
 24年前中学生のときボールが当たって、外傷性網膜剥離になりました。今でも時々閃光が走ったり、飛蚊症も増えたり減ったりしています。
 光が走るというのは光視症と言います。眼の中には硝子体というゼリー状の寒天のような物が詰まっているのですが、これが収縮して網膜を引っ張るときに網膜に孔があくのです。網膜を引っ張る力によって網膜に電気現象みたいなものが生じます。暗闇の中でも眼を閉じても、光が走るのを感じます。これは網膜剥離の症状の一つで、要注意です。手術後落ち着いていても、まだ引張りが残っていて、光視症が見えることもあります。

 眼球の中の8割位を満たすのが硝子体です。ゼリー状の硝子体が色々な理由(年齢による変化、近視の強い方、乱視や外傷など)で、収縮し、前方に移動して縮むときに網膜が引っ張られて孔があきます。この孔の所に水が回り込んで剥がれるのが網膜剥離です。その時の引っ張る力が網膜に電気現象を与えるのが光視症です。これは網膜剥離の前駆症状です。

 硝子体が剥がれたときに網膜から濁りがくっ付いて出てくる時があり、この影が映って見えるのが飛蚊症です。界面にゴミ(混濁)が浮いている状態で揺らすと、界面が揺れてその物質が動くので動いて見えます。網膜剥離が起こったら視野欠損が起こります。でも手術した所がくっ付いていればあまり心配ありません。定期的に検査していれば大丈夫です。
 外傷性網膜剥離と糖尿病による網膜剥離の違いは?
 外傷などでボールが当たると眼球がへこみます。眼球はまるいのですが、バットにボールが当たった時のように瞬間的に変形します。そうすると網膜の端のほう(鋸状縁)が、その変形についていけずに裂けたりします。場合によっては網膜の奥が裂けます。外傷では鋸状縁が裂けることが一番多いです。

 糖尿病の場合は眼の中に新生血管が出てきて、これが地面から木が生えるように硝子体の方に伸びて行きます。硝子体は前のほうに向かって収縮しますから、新生血管が網膜と硝子体の橋渡しをするようになって網膜が硝子体と外れず、網膜が引っ張られて持ち上げられ浮いてきます。これを牽引性網膜剥離と言います。

 一般的に網膜に孔が開いて起こるのを裂孔原性網膜剥離と言い、孔が開かず引っ張られて起こるのが牽引性網膜剥離です。治療がむずかしく、難治性の網膜剥離です。
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