〈2009〉関西懇話会

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〈2009〉関西懇話会
「質疑応答」
   
回答:大阪医科大学 石崎 英介先生 
 加齢黄斑変性は必ず進行するのでしょうか。
 長い時間が経過すると漏れがおさまって来ることがありますが、長い間漏れがある状態が続くと神経が傷んでしまっているので、視力は悪いままになってしまいます。

 ただし、真ん中だけの病気なので、周りに広がることはありません。ですからこの病気によって失明してしまうことはありません。中心が見えないので不自由ですが、周りの視界は残ることが多いです。
 黄斑変性を放っておけば、黄斑部は失明状態になりますか。
 異常な血管の大きさにもよりますが、そのままの状態で経過される方もいらっしゃいます。
 関西で加齢黄斑変性を治療している所は?
 光線力学的療法は入院が必要で、レーザーが特殊な機械なので、出来る施設は限られています。

 抗VEGF抗体療法は、眼に注射をしますので、感染予防が出来るしっかりした設備の整った病院ということになります。
 抗VEGF抗体療法の費用は?
 抗VEGF抗体療法は、注射が最初に出たものが12万円で、後から出たものは17万円です。保険が適応されますので、その3割または、1割の負担になり、これが毎月(必要)となります。
 生まれつき強度近視があり白内障の手術をしました。矯正視力は、右0.9、左0.3〜0.4で左眼は手術以前から黄斑変性があり、少し中心がぼやっとしています。
 近視の強い方の黄斑変性はまた別です。
加齢黄斑変性は元々近視が強くない方に多く、むしろ近視の方は少ない印象です。近視が強くなると眼球がのびてゆき、眼球の壁がのびるので内側の網膜も一緒に伸びていかなければいけないのですが、付いていけなくて薄くなって傷んでくるのが近視性の黄斑変性の原因です。眼球の形がゆがんで壁自体が波打っている状態になるので、線がデコボコに見えたりします。

 加齢黄斑変性萎縮型は長い間かかって神経が傷んでくるので治療法が無いのです。滲出型は悪い血管が出て来るので薬で治療が出来ます。黄斑変性は神経が薄くなって傷んでいる所を治そうとして、多くの栄養を送るために血管がのびてきます。近視性の黄斑変性の場合でも新生血管が出て来ることもあります。

 黄斑変性症の専門外来をしていますが、年齢の変化による加齢黄斑変性の方も来られます。近視が強くて新生血管が出て来る黄斑変性の方も来られます。どちらとも治療の方法は殆ど同じですが、光力学的療法も抗VEGF抗体療法も厚生労働省で認可されているのは加齢黄斑変性だけなのです。

 近視で黄斑変性を起こした方には保険は適用されないので、保険を使っての治療が出来ないのです。実際、抗VEGF抗体療法の薬が3種類ありますが、アバスチンという薬は眼に使うことが認可されていません。

 これは逆に言いますと、どの眼の病気でも認可されていないので、黄斑変性の方に認可されていないアバスチンをご本人が納得していただければ使うことは出来ます。近視で新生血管が出て来る黄斑変性の方にはこのアバスチンを注射している事が多いです。

 現在視力が0.3〜0.4ならば新生血管は出ていないと思われます。新生血管が出て来ると真ん中が暗くなったり、見たいところが見えなくなったりします。網膜剥離になった時のように飛蚊症が出て来るような前ぶれは無いのですが、黄斑変性は見ようとする所に症状が出て来るので分かります。

 網膜剥離の孔は端から起こって来るので、進行して来るまで分からないというケースもあります。ふつう両眼で見ているので気付かない方もいますが、時に片方ずつで見てしらべることも大切です。しかし予防は難しいです。

 ブルーベリー、ルテインなどサプリメントは黄斑変性に効果があるでしょうか。
 黄斑変性に特効薬的予防法は無いですが、新生血管が出て来るときに眼の中で酸化が起こるので、サプリメントの亜鉛は新生血管を起こす原因になる酸化を抑えることが出来るのではないかと言われています。

 アメリカ人はサプリメントが好きで、食事に偏りがあるのでそれを補うためにサプリメントを使います。アメリカ人が加齢黄斑変性に効くと言われているサプリメントを飲んだデータがありまして、飲んでいる方は病気になる率が低いというデータが出ています。

 ルテインとかブルーベリーが病院の薬にならないかというと、病院で出す薬は効果が強く、副作用(危険性)が有り、飲みすぎると逆に悪いことが起こるような薬が多いです。サプリメントはとり過ぎて悪いということは基本的にはありません。サプリメントは何種類かあるのですが、その中の成分でたばこを吸う方が飲むと肺がんの発生率が高くなるという成分があります。そのためたばこを吸う方、吸わない方のものが別々にあります。

 ブルーベリーのふくむビタミンAは、網膜の神経の伝わる部分に働くと言われています。(加齢黄斑変性に直接ビタミンAは関係ありません。神経の伝達に良いのですが、眼の万病に効く訳ではありません。

 サプリメントのオキュバイトが加齢黄斑変性に効くと言われているのは、抗酸化作用を抑える亜鉛とかビタミン、ルテインが入っているからです。サプリメントで良くなるのを期待するのは難しいですが、根拠になるのはアメリカ人のデータです。いつまで飲み続けるかは難しいです。
 強度近視で右眼網膜剥離になり、6年後に左眼が萎縮型の変性になり、黄斑に23年前、レーザー治療をしました。抗VEGF抗体療法は効果ないですか。現
在は真ん中が見えません。
 神経の細胞が傷んでいる状態でそこに新生血管が出て来て、滲出型という変化が出て来たら、それを抑える治療はあるのですが、萎縮型に効果がある治療はないです。

 色々な病気で傷んでしまった神経をどうやって回復させるかということで行き詰ってしまいます。網膜剥離で網膜はくっ付いたのに神経が傷んで視力が良く出ない方がいますが、神経は元に戻すということが出来ないのです。

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