2013年総会グループディスカッション

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2013年総会「グループデッィスカッション 」
回答:オリンピア眼科病院 西山功一先生
【黄斑円孔網膜剥離といわれて】
  私は強度近視で、黄斑円孔の手術を、右で2回、左で1回しました。今はくっ付いていると言われています。最近は安定しているので、通院しなくてもいいと言われています。

 網膜萎縮が激しく、見え難く、遠近感が無くて、でこぼこ道の山道を下りるときが恐いです。新聞は見えない部分がありますが、何とか読めます。今は何とか生活できますが、年単位で見えかたが悪くなっています。何とか命ある限り見えていたらいいと思いますが。

  強度近視の黄斑円孔は治り難いです。1回目、右の眼がうまく行かなくて、2回目の手術でガスを入れてうつ伏せの治療をやったということは長期間下を向かれたのではと思います。

 両眼とも黄斑円孔の網膜剥離だと、昔我々が研修医時代は数週間下を向いてもらいました。だんだん内境界膜剥離など手技がよくなってきて、手術の器械もよくなり、クロモビトレクトミー(見えにくいもの)染色する方法も出てきて、網膜をくっ付けられる確率が上がってきていますが、それでも黄斑円孔の手術をして、新聞が読めるということであれば、うまくいっていると思います。

 ご本人は、昔はもっと見えていたと思われますが、我々からすると黄斑円孔網膜剥離で、新聞が読めて両眼がきちんと見えていれば、手術的にはうまくいっている部類だと思います。それほど難しい病気です。昔はガスを入れて1ヶ月くらい下を向いて、それでもだめで、再度シリコンを入れてまたやって、結局それでもまだうまくいかないという方はたくさんいました。その当時に比べ、今は器械も技術も進歩して網膜黄斑円孔もかなりの効率で復位することができるようになりました。

 ただ両眼のバランスが取れないと、足元が見難いです。強度近視も度数の程度があり、マイナス2、3は軽い人、マイナス7、8が中ぐらい、マイナス10、20が強度近視。マイナス20いくつだと、網脈絡膜萎縮といって、眼底が少し萎縮して、眼底写真を撮ると、白っぽく見える変化があると思います。今の歩く状態とか、視線を合わせる状態を見ると、本当にうまくいっていると思います。うまくいかないと、眼が小さくなったり、光もなくなったりします。

 ただこれから歳をとっていくと、近視の強い方は、網膜の萎縮は老化と共に進み、視野が段々狭くなっていきます。通院はしなくてもいいと言われたようですが、時々眼圧と、視野検査は定期的にしてもらって、適切な眼圧にコントロールしてください。眼内レンズが両眼に入っていれば、眼鏡はそんなに強い度数はいりません。
【黄斑円孔手術後の飛蚊・白内障について】
 現在68歳、子供のころから強度近視で、50歳代に黄斑円孔になり、手術して、その後白内障手術、後発白内障をしました。5年前に黄斑円孔をやった同じ場所が破れて手術しました。

 5年前の手術以来、1年に1回ぐらいひどい飛蚊症になり、主治医は後遺症だと言いますが3週間ぐらい前から頻繁に出るようになりました。これはまた破れているのではないかと心配です。視力が最近落ちてきました。

 1回目に剥離をして、次に白内障の手術をして、そのあとに後発白内障ということですね。水晶体の袋の中に入っている細胞が、5年、10年すると少しずつ白く濁ってきて、眼内レンズの周りに硬く固まってしまう症状と、あまり硬いと眼底がうまく見られないので、それを白内障の滓と一緒にお掃除をやったということだと思います。

 眼底をよく見るためにそういう処置をするのですが、またしばらくすると水晶体の上皮細胞が眼内レンズの裏側に小さく玉のように付着します。細胞が膨れてくるような塊が出てきます。それが場合によっては、眼の中に落ちてしまいます。これは悪さをしないのですが、それがフワフワ浮いている飛蚊症であれば、しばらく残っていると思います。

 水の中に墨汁を垂らしたように流れて広がる濁りじゃないようで、出血は無く、診てもらって新しい網膜剥離ではないのであれば、あわてることはないと思います。

 ゴルフができるようであれば、決して眼の状態がすごく悪いということは無いです。白内障は人により、ゆっくり進む方も急に進む方もいますが、歳を取れば取るほど進みます。元々近視の強い方で、中年になって突然半年、1年、2年でどんどん近視が強くなってきて、進む核白内障が多いです。近視が進んでいるのであれば核白内障が少し出てきているかと思います。
【白目が赤いが】
 友の会の紹介で、西山先生に以前診ていただきました。私は片眼しか見えないので、見えるほうの眼の白内障の相談をしました。その後近医で白内障の手術をしました。今も見えています。このごろ出血したように白目が赤くなって、急いで病院に行くのですが、視力には関係ないので、目薬を出しても治らないから、放っておくのがいいと言われましたが、心配です。
 心配いりません。視力には全く関係ありませんので、放っておくのが一番早いです。ぶっつけて内出血を起こしたり、唇を噛んで血豆ができたりしますが、それらを放っておいても自然によくなるのと同じです。特別に気をつけることはありません。年に4〜5回起こる人もいます。皆さん驚いて来るのですが、どこの眼科に行っても心配無いと言われます。

 歳を取って、白目の皮がズルズルとずれてしまう人がいます。若いころはしっかりしているのですが、白目(強膜)と白目の皮(結膜)の間に結合組織のテノン膜というのがあるのですが、結合組織が緩くなってくると、強膜と結膜がずれてきます。それが結膜弛緩症です。

  緩みが強くなると瞬きをする刺激で冒の皮がぐちゃぐちゃになって血管が切れる人もいます。いつも出血したり、ズレが強ければ、緩んだ結膜を切ったり、糸で縫いつけたりして、ズレを治すというやり方があります。

血液が固まり難い病気や、出血しやすい病気だとどんどん悪くなりますので、内科に行って血液検査をしますが、時々出血して1〜2週間で引くというのはほとんど心配はいりません。

 結膜下の赤みは心配いりませんが、眼が痛くなったり、霞が出たり、目脂がでたら、ぶどう膜炎、虹彩炎のように眼の中の炎症で赤くなる場合もありますので、その時は医師に診てもらってください。
【義眼が入らなくなりますか】
 片眼義眼が入っているのですが、毎晩寝る前に外して、水で洗って寝ています。毎日外して寝ると、入らなくなってしまうと、主治医の先生に言われましたので心配です。
 そういう考えもありますが、義眼のうしろがどうなっているのかにもよります。網膜剥離のあと萎縮して、眼球癆の状態であるなら義眼が出てくることは無いと思います。夜外してお休みになっても大丈夫だと思います。

 主治医の先生に相談するのがいいと思いますが、あんまり外している時間が長いと、合わなくなるかもしれません。今まで何年も外して寝ているのであれば、その習慣は変えなくてもいいかもしれません。どうしても入らなくなったら、作り変えるという考えかたもあります。
【老眼鏡と核白内障】
 79歳です。40年前網膜血管腫で、レーザーで焼き付けてもらいました。強度近視で、だんだん飛蚊症が出てくるので、1年に1度ぐらい診てもらっています。西山先生が難治性の白内障など詳しいと聞いたので、初歩的なことをお聞きしたいのですが、一番目は、強度近視と言いながら老眼も進んできたので、このごろは左眼をつぶり、右眼で新聞の細かい字を読んでいます。眼鏡は矯正をゆるくして視力0.5ぐらいにしています。

 二番目は白内障についてです。診てもらっている先生が、今のところまだいいでしょうと言うのですが、核白内障まで進んでしまうと困るので、進んできたら自覚症状はありますか。
 老眼は年齢的にはかなりあるはずで、近視の方は遠くがよく見える眼鏡を掛けていると、手元が見えないというのは、近視の方では当たり前です。眼鏡を外せば見えるということは、近視の度数が強いからです。白内障が強くなければ、30センチの手元が見えるような弱い眼鏡を作ればよいと思います。

 老眼鏡は本人の見やすい位置を検査技師と相談して、新聞などを読む専用の眼鏡を作るといいでしょう。突然病気をしてそうなったのであれば疲れますが、片眼をつぶって見るのに慣れているなら、それでもかまいません。

 核白内障で硬くなると手術がやりにくいというのは勉強されていますね。ある程度の歳で出てくると、3ヶ月〜2年で近視の度数が急に強くなってきます。眼鏡屋さんで、「近視が強くなっています」ということになると、白内障が進んでいるということです。そして物が二重に見えたりします。

 要するに水晶体の中の芯の部分が硬くなり、屈折が変わるので、レンズの中にもう一つのレンズが入った状態になります。物がダブって見えだした。あるいは近視がどんどん強くなった。というのが、核白内障が少しずつ進んでいるサインです。

 核白内障は我々手術する側から言わせてもらうと「まだ見えているからいい」と言う先生もいるのですが、あんまり硬いと手術のリスクが高くなります。今は2ミリ3ミリぐらいの傷で、超音波で砕いて取りますが、最近は超音波の器械もよくなり、すごく硬いものも崩せて、超音波乳化吸引術と言って、超音波で砕いてとります。

 しかし刃が立たないほど硬くなると、昔のように、傷を9ミリぐらい切って取り出す手術が必要になる場合があります。また超音波をやっているときに、硬い核片が眼の中に落ちる合併症が起こりやすくなります。ですからあまり熟した核白内障は、手術をやる側からすると、リスクが高くなるというお話をして手術をします。網膜剥離の硝子体手術をして、そのあと出てくる白内障は核白内障が多いです。

【受診したほうがいいですか】
 飛蚊症が増えてきたのですが、なるべく気にしないようにしています。急に光が見えたり、黒いものが落ちてきたというときは、すぐに診てもらったほうがいいのでしょうか。
 おそらく年齢的に後部硝子体剥離は起こっていると思います。後部硝子体剥離が起こるときに、50代60代に網膜剥離の山がきて、飛蚊症が急に出てきます。典型的なのが、丸いリング状の濁りが出てくる人がいます。

 他に繊維のようなものが出たり、色々な濁りが出てきます。周りのほうで、キラキラ光る光視症は弓状の光という人がいれば、キラキラしばらく光っているという人もいます。後部硝子体剥離が起こるときにそういう光を感じます。

 後部硝子体剥離が起こっても1、2年何も起こっていなければ、網膜剥離になる可能性は少ないと思います。一番はっきりするのは片眼ずつ見て、視野が何か狭いなと思ったら直ぐ来てくださいと、片眼網膜剥離を手術した人には言っています。もちろん光がギラっと光ったという変化があったときは、早めに受診してください。

 視野が正常な方は両眼で見ているとわかりません。かなり悪くなっても気が付かず、片眼にあまり白内障が無いときに、片眼だけで生活していて、たまたま片眼を塞いで見たら見えなかったので「昨日白内障になりました」と来る方がいますが、半年ぐらい前から見えなかったでしょうということがあります。

【硝子体手術したのに光視症があります】
 両眼硝子体手術をしました。硝子体手術をしたら、両眼飛蚊症が無くなりました。左眼は時々光視症がまだあるのですが、それは大勢に影響がないでしょうか。
 硝子体手術は術者のやり方にもよりますが、硝子体と線維をどのくらいきれいに取るかというのがあります。網膜剥離だけを治す。或いは黄斑上膜、黄斑部の濁りだけを取るのであれば、中心だけ取って治せます。周りには、ドーナッツ状の硝子体がいっぱい残っている可能性があります。

 そうすると、眼を動かしたときに硝子体が揺れて動き、不完全に起こっていた後部硝子体剥離がさらに進み、そのときに光視症が起ってもおかしくはないと思います。

 増殖硝子体網膜症という重症な網膜剥離で、硝子体の周辺部まで一生懸命お掃除して取る手術があります。硝子体を100%は取れないのですが、9割5分、8分まで取ると、硝子体はほとんど無くなるので、眼の中で揺れることも無く、光を感じることもあまりありません。網膜裂孔の光かどうかは、診ないとわかりませんので、主治医の先生にご相談ください。(会報235号から転載)

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