14年総会「グループディスカッション」

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2014年総会
「グループディスカッション」@
回答 要町やまもと眼科院長 山本禎子先生
 
【黄斑部が剥がれてしまった】
  網膜剥離になり、黄斑部が剥がれて手術をしました。その後、増殖膜ができて、これを取り除く手術をしました。現在視野は、見えるところと見えないところがあるという状態です。ある程度、落ち着いてきているようですが、これ以上良くならないのでしょうか。落ち着けば、治療はもう続けなくてもよいのでしょうか。今は何かあったら来てくださいと言われています。
 網膜は、網膜の中に入っている血管と、眼の壁から栄養を受けています。網膜剥離になると、網膜が壁から剥がれ、壁からの栄養を受けられず、網膜が栄養不良の状態になります。すると、その間に網膜が傷んできます。だから一刻も早く、網膜を壁に貼り付けてあげることが必要です。

 網膜剥離の手術は、黄斑部という物を見るのに一番大切な場所が、壁から剥がれる前に治してしまう、これが理想です。しかし、不幸にも黄斑部が剥がれてしまうと、剥がれている時間が長ければ長いほど、大事な黄斑部が傷み、見えなくなります。

 黄斑部を眼の壁に付けても、増殖膜ができたのは、増殖硝子体網膜症という状態だと思います。安定させるために眼の中にシリコンオイルを入れ、それも抜かれて、いわゆる人事を尽くしたというかたちで、落ち着いているわけです。

 本来ならば、網膜自体が弱くなっていますから、網膜を復活させ、元気にする治療があればよいのですが、残念ながら現在の医療では、まだこのような手段はありません。世の中では、ブルーベリーが良いと言われていますが、網膜を元気にする力はありません。

 ルテイン、葉緑素などは、加齢黄斑変性には効果があると証明されていますが、網膜剥離で傷んだ網膜に対しても有効かどうかは、立証されていません。

 腕や足ならリハビリテーションがありますが、眼にはありません。一生懸命物を見ようとしたとしても、視力には関係ありません。期待できるのは、とにかく時間です。網膜の神経の構造には、徐々に正常に戻ろうとする力がありますので、それに期待することになります。

 黄斑部は、ピンポイントの狭い領域なのですが、そこが駄目になっても、その近くで見る力が出て来ます。これを「中心外固視」と呼んでいます。私が前に診ていた患者さんでも、手術を何回もやって、黄斑が傷み、もうだめかと思っていると、2〜3年経って視力が良くなった方がいます。数 ヶ月経ってまだ芳しくなくとも、今後何年間か経つうちには、視力が出てくる可能性があります。それを期待して待ってもよいと思います。

 今後の経過観察ですが、竹内先生の手術は完壁ですから、ほとんどまた網膜が剥がれることはありません。ただ何が起こるかわかりませんから、時々診察を受けるのが良いと思います。もし竹内先生が忙しいようでしたら、私でもよければ診せてもらいます。あとはとにかく時間が経って、回復してくれるのを待つことです。
【後部硝子体剥離後の飛蚊症】
 小学生のときに網膜剥離になり、バックリング手術をしました。最近飛蚊症が酷くなり、診てもらったら、後部硝子体剥離が起こったためと言われました。飛蚊症をなくす手術や、内服薬などがありますか。
 後部硝子体剥離は、加齢によって起こってきます。網膜と硝子体が離れるときに、強く癒着しているところが引っ張られ、そこに孔が開いたり、時々血管が切れたりします。そうすると出血して、眼の中に埃のようなゴミ、いわゆる飛蚊症が発生します。

 後部硝子体剥離が起きたときに、網膜が強く引っ張られ、網膜裂孔や網膜剥離が起きる可能性が一番高いと言われています。硝子体に血管が強く付いており、血管が引っ張られ、切れて出血したものの、網膜は引っ張られなかったという状況もあります。出血は放っておけば、いずれ吸収されて消えますので、そんなに心配はありません。

 網膜が引っ張られ、孔が開いたとしても、裂孔だけであれば、レーザー光線で周りを留めて、網膜剥離になるのを防ぎます。レーザー光線で、網膜に熱凝固による癒着を起こす治療で、いわゆる糊付けをやっています。ただ糊付けの力にも限界があります。

 引っ張る力が強いと、網膜が剥がれて、網膜剥離になってしまいます。糊付けの強固な反応が出てくるまでには、1ヶ月以上かかります。しっかりした糊付けが出来ていない間に、網膜が強く引っ張られると、やはり剥がれてしまいます。レーザー治療をしたあとも、網膜剥離に及んでいないか、診ていかないといけません。

 3ヶ月、4ヶ月経って、網膜剥離が起きなければ、もう糊付けもしっかりしています。ある程度安心と考えてよいと思います。そのあとは、3、4ヶ月〜半年に1回ぐらい受診してください。

 飛蚊症は、出血や加齢によって、硝子体の中に濁りができ、それが眼の中でべールのように揺らいでいるものです。これを取るということになりますと、硝子体手術という手段になります。濁りが何か重大な病気の前兆というわけでなければ、無理をして取る必要はありません。取ることによるリスクや合併症もあります。時々論文で、濁りを取る治療をやっていこうと主張する方がいます。

 しかし、私が考えるのは、敢えてリスクを冒してまで、濁りが消えて欲しいと思うかということです。世の中100%の手術はありません。どんな簡単な手術でも、何が起こるか分からないリスクは必ずあります。手術のときは、必ず色々な合併症の説明があり、患者さんに承諾書を書いてもらいます。このような危険を冒してまで、濁りを取る必要はないと私は考えます。

 後部硝子体剥離が起こったときは、要注意です。数か月に一回診てもらってください。裂孔が一つだと思って治療しても、それから1ヶ月ぐらい経って、また別のところに孔が開くということはよくあります。効果のある内服薬はありません。ほとんどの場合出血は、一時的なもので、あとは止まってしまいます。
【強度近視の白内障】
 私は現在69才です。子供のときから強度近視で、17才ぐらいからコンタクトレンズをしています。51才のとき黄斑円孔になりました。コンタクトには直接関係ないと思いますが、それからコンタクトは止めました。今まで左眼を黄斑円孔で2回手術し、白内障の手術をしました。

 コンタクトに恐怖心を持っています。白内障の手術のあと、転倒が何回かありました。歳のせいか、ドライアイになり、視力が落ちてきました。主治医には、右眼の白内障が進んでいると言われましたが、白内障の感じではありません。ドライアイとコンタクトの関係、歳を取って見え難くなることについて、どんなことが考えられますか。
 お話を伺ったところでは、白内障が進んでいるのではないかと思います。白内障が出てくると、近視化します。残念ながら、人間歳を取ると、全身がカサカサしてくるのと同じで、ドライアイになります。ソフトのコンタクトレンズは、水を吸って、涙の上に乗っかるものなので、涙がないと、眼のフィット感がよくありません。

 裸眼0.0いくつで、コンタクトを入れて0.1ぐらい、その上に眼鏡を掛けて0.4ぐらいということですと、転ぶのは、両方の眼のバランスが悪く、階段の段差などが見えにくいからではないかと思います。

 右眼は、早めに白内障の手術をした方が良いと思います。左右のバランスを揃えれば、コンタクトも入れないで済み、楽になります。白内障の手術をして網膜剥離になる可能性はゼロではありません。しかし今は白内障手術も、小さな切開創で出来るようになっていますから、かなり安全に、安定した手術ができます。

 極端な話、どこの時点で手術をしてもリスクは同じです。それなら不都合なのを我慢しているよりも、早めにやって、より快適な生活を手に入れた方が良いのではないかと思います。

 何もしないで、大人しくしていたから大丈夫ということではありません。ある程度歳を取った方の強度近視は、今までに起きることは全部起きてしまい、だいたい行き着くところまで、行っています。今後近視がどんどん進むことは多分ありません。

 今回近視が進んだのは白内障によるもので、眼軸長が延びて、眼がラグビーボールのようになっていく黄斑円孔はその結果、網膜が延ばされ、薄くなって起こるのですが、おそらく今の状態はこれではないと思います。

 近視を持っている方の白内障は、核白内障と言って、水晶体自体が硬くなり、近視化してきます。多分それだと思います。ヒアレインはヒアルロン酸と水分だけを補うものですから、点せば点すだけ潤いが出てきます。一つの体に二つの眼ですから、両眼同時にドライアイが起こっても不思議ではありません。防腐剤の入っていない目薬であれば、頻回に使っても、間題ありません。
【強度近視の人の注意点】
 現在58才です。30才のときに後部硝子体剥離と言われました。今は全部剥がれているということです。強度近視なので、これから緑内障などいろいろな病気が出てくるのではないかと心配です。それを防ぐ方法はないでしょうか。後発白内障の手術をするときに、遅かったということはありますか。
 後部硝子体剥離は、全部取れている場合もありますし、部分的に残っている場合もあります。後発白内障は出て来た時に手術するのですが、別に合併症が起こることはありません。

 強度近視には、ある程度遺伝的なものがあると言われています。最近ですと、眼をパソコンなどで酷使しないというのが、強度近視の一つの予防法です。ただし今の年齢から進むというのはちょっと考え過ぎです。眼の柔らかい30代、40代までの若いうちに、どんどん形が変わっていきます。今後変わることは、あまりありません。

 それよりも、これからは緑内障を起こしてくる確率が高いので、定期健診をしてください。緑内障は治療によって、進行が遅くなる可能性が充分にありますから、とにかく早期発見、早期治療です。緑内障、白内障が出ていないかまめにチェックしてください。
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