14年総会「グループディスカッション」A

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2014年総会
「グループディスカッション」A
回答 オリンピア眼科副院長 西山功一先生
 
【網膜剥離後の白内障手術】
  平成25年の4月に、近視だった左眼が加齢黄斑変性になりました。右眼は昭和61年に網膜剥離で手術しました。右眼に白内障が出ているので、近々手術したほうがいいと言われていますが、不安です。
  今の白内障の手術は、器械も良くなり、手術手技も進んでいます。傷もごく小さいです。それも剥離の手術をした東京医大でやって頂くのなら、そんなに心配する必要はありません。恐れることなく、手術を受けてよいと思います。白内障の手術をしたから、網膜剥離になるという時代ではもうありません。

 網膜剥離をやった眼だからといって恐れていると、水晶体の核がどんどん硬くなり、手術をやる側としては、やり難くなります。掛かり付けの先生が、手術の時期ですということなら、東京医大を受診して、手術を受けるのが良いと思います。今、白内障手術は、ちゃんとした所でちゃんとした先生にやってもらえば、網膜剥離をやった眼でも恐れることはありません。「案ずるより産むがやすし」です。

 右眼を白内障手術すると、強い近視をある程度コントロールして、弱い近視にすることができます。眼鏡がなくても、朝起きてお部屋の中が見えますという生活になります。元々近視の強い人は、完全に近視を取ってしまうと、手元が見えないので、弱い近視にすると、すごく楽になります。

 左眼も白内障が出てきているのであれば、片眼だけやるのではなく、あまり時期を変えないで両眼やってしまう方が、手術後の眼鏡の調整などを考えると、バランスが良いと思います。網膜剥離をやったから、加齢黄斑変性があるからといって、白内障手術ができないということはありません。
【散瞳剤のアレルギー】
 近視が進むので、定期健診で通院しています。最初は大丈夫だったのですが、ある時散瞳剤を2滴点したところ、眼科の帰りに、眼が変だなという感じがあり、その日の夜から眼が痛くなりました。そして怖くなって、次の健診に行けなくなってしまいました。散瞳剤でそういうことが起こるということは知りませんでした。
 アレルギーの方はいます。我々が使う散瞳薬ミドリンPの中には2種類の薬が入っています。フェニレフリンとトロピカミドが入っていて、どちらかにアレルギーのある方がたまにいます。何百人に一人か、もう少し少ないかもしれません。散瞳薬を点けると、赤くなったり、痒くなったり、眼が腫れたり、目ヤニが出たりという方がいます。薬に対するアレルギー反応ですから、そういう人は、どちらかが入っていない薬で、とりあえずの検査ができます。

 ただ手術のときは、散瞳しないとできないので、強い散瞳薬を使います。ただ、2滴点けましょうと言われたのは、瞳の拡がりが弱い人いるからで、そういう人に2滴点けて、その日の夜に頭が痛いということであれば、緑内障の発作を考えなければいけないです。前房が浅く隅角が狭くて、緑内障を起こしやすい眼の方が、不用意に散瞳検査をして、緑内障の発作を起こすことが稀にあります。

 そのため我々も、前房の深さをきちんと測り、浅いと思ったときは、最初に緑内障の予防レーザー治療をし、白内障があれば白内障の手術を先にやりましょうということもあります。

 散瞳剤を毎回点けていたから眼が悪くなるということはありません。近視が進んでいるのは白内障です。核白内障が進んできて、近視が進んできていますから、それは先生と相談して、そろそろということであれば、白内障の手術を受けた方がよいです。

 どんどん進んで核が硬くなって、見えなくなってからやってくれと言われると、やるほうからすると、「何でここまで放って置いたの」ということになります。あんまり早くとは言いませんが、ある程度まで核白内障が進んできたら、物もダブって見えますし、どんどん近視になって、歪みも出ます。余り心配されずに、主治医と相談されるのが良いと思います。
【核白内障】
 母のことですが、明らかに眼が濁っているという感じです。核白内障は外から見て分かりますか。検査によって分かるのでしょうか。視力検査の視力は、実生活での視力とは違うようですね。
 核白内障は、外から見ては分かりません。白内障をしっかりやっている先生だとよいのですが、眼科でも、白内障の手術をあまりやっていない先生だと、核白内障を見逃してしまうことが多いです。なぜかというと、眼鏡をすれば視力が出るからです。近視の度数は増えてくるのですが、-3が-5になっても「見えているからいいよ」と言う眼科の先生もいます。

 そのうちどんどん近視が強くなり、物がダブって見えてきても、まだ見えているからと言い、ようやく気がついたときには、白内障が進んで、核が硬くなっています。白内障手術は、超音波で水晶体を砕きます。硬くなると砕きにくくなり、超音波の出力を上げないといけません。核白内障は水晶体の中にもう一つレンズができるようなものです。

 眼科で測る視力は、5メートルの距離から見た視力で、実生活の視力ではありません。
【飛蚊症・光視症が出たら早めに受診】
 先生のところには、網膜剥離の患者さんが押し寄せていると思うのですが、患者さんに気を付けてほしいことはありますか。
 飛蚊症と光視症が出てきて、おかしいなと思ったら、まず早めに眼科を受診してください、ということです。実際は、飛蚊症で来られて、網膜剥離が見つかる人は非常に少ないです。ほとんどの場合、「老化現象の後部硝子体剥離です。問題ありません」ということで終わります。

 後部硝子体剥離は、60才になると60%の人で起こっています。硝子体剥離があって、飛蚊症があるはずなのですが、本人は気が付かないということもあります。しかし網膜剥離が起こる時には、飛蚊症と光視症は必ず出てきます。飛蚊症が出て、光が光ったら、早めに眼の検査をと、というのがいつも申し上げていることです。

 白内障手術は日帰りか入院か質白内障の手術は、入院と日帰りのどちらが良いのでしょう。剥離の手術のときのことを考えると、日帰り手術はとんでもないという感じがします。

 答 眼の状態にもよりますし、自宅がどこにあるかにもよります。入院でも日帰りでも、どちらでも大丈夫です。最近は入院施設がなく、日帰り専門で白内障手術をやっているところもたくさんありますが、日帰りだからといって、何か問題があるということはありません。
【強度近視の白内障手術】
 26才のときに網膜剥離をやり、そのときの主治医から「年齢にしては土台がボロボロ」と言われました。過激なことは何もしていないのですが、体質だろうということでした。30代前半に白内障が出ました。小学生のときから強度の近視で、多分眼の質に、強い弱いがあるのだろうと思っています。
 バックリング手術されたとのことですが、硝子体手術をされた場合は、硝子体が無くなっていますから、白内障手術は気を付けてやらないといけません。強度近視の人は眼軸が長いので、水を入れる圧で前房深度が変化して、水晶体がぼこんと後ろにへこみます。

 普通は浅い角度で入っていけますが、強度近視の人や、硝子体手術をしている人は、水を入れると水晶体が、がくんと眼の奥のほうにずれてしまうので、ちょっと圧を下げます。水晶体がへこむと、眼が押さえつけられ、痛いと感じる方がいますので、手術の際にお話しします。バックリング手術の方はそうでもないです。

 「生まれつき眼が弱いということはありますか」と聞かれれば、人によってはあるかもしれませんが、あまり神経質にならないほうがよいと思います。悩んでいても前には進めません。
(会報第243号から転載)
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