15年関西グループディスカッション

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2015年関西懇話会
「グループディスカッション」
回答 大阪医科大学眼科教授 池田 恒彦先生
 
【術後の視力の回復】
  術後、視力が戻るのに、ある程度長期的なスパンで見ないといけないのでしょうか。今は0.9と0.3ぐらいで、眼鏡を掛けても0.1ぐらいしか上がりません。黄斑部ぎりぎりまで剥がれたようです。
  ゆっくり戻ることは多いですが、1年ぐらいかけて戻る方もいます。半年から1年ぐらいは、眼球もスポンジを当てると変形しますので、それで一旦落ちてしまうこともあります。

 またゆっくり戻ってくることも多いですが、黄斑部という網膜の中心部分が剥がれていたら、戻りが悪いことがあります。そのへんが微妙なところです。黄斑部が剥がれると、視力が悪くなって、最終的に元に戻らないというケースがあります。

 黄斑部が剥がれていても大丈夫で、戻るケースもあります。輪状締結した方は、近視がより強くなっていると思います。

 術後眼鏡の度が変わり、半年ぐらいでまた変わります。どのくらい視力が出るかということです。強度近視の方は難しい面があります。
【緑内障の進行と手術】
 現在78歳で、右眼を40代後半に光凝固をしました。最近白内障の手術をして、その1年後に緑内障の心配があると言われました。眼圧を抑える目薬を処方され、今は両眼の眼圧は10です。平均余命を考えたら、緑内障の手術をしないほうがいいのでしょうか。
 緑内障は多い病気で、40歳以上で、20人に1人は緑内障です。ものすごく多い病気です。進行の度合い、進行がゆっくりの人もいれば、早い人もいます。

 視野検査を定期的に受けるということは大事で、眼圧がどのくらいかということと、その眼圧をずっと維持した場合に、視野がどのくらいのスピードで悪くなっていくかということが重要です。

 それで例えば、5年後とか、10年後の視野がどうなっていくか、だいたい予測ができます。それで、5年後にほとんど視野が無くなってしまうようですと、ちょっとまずいので、手術しましょうかということになります。

 ゆっくり進行するようで、10年後でもかなり視野が残っていると予測されるのならば、目薬で行きましょうということになります。目薬も、あんまり視野が悪くなってこないようなら、数を減らしましょうという治療をやります。

 だから、個人によって同じ眼圧、例えば14という眼圧でも、視野の悪くなり方が違うので、とにかく視野で診て行くしかありません。眼圧も、その日によって変わります。

 眼圧は10〜21が正常眼圧と言われています。この範囲に入っていても緑内障の方はたくさんいます。それが正常眼圧緑内障です。視野をしっかり診ていただいて、方針を決めていただいたらいいと思います。
【眼科にすぐ診てもらえないときにどのようにしたらいいのか】
 左眼を昭和38年に剥離の手術をしました。強膜短縮術をしたのですが、うまくいかなくて、右眼に時々光視症があるので、剥離が起こるのではないかと心配です。休日などに起こって、すぐに診てもらえないときに安静にして寝ていると聞いたのですが、どんな体位で寝ていたらいいのでしょうか。
 網膜剥離が起こったほうを下にするというのが一般的な考えなのですが、例えば右眼の耳側に網膜剥離が起こったら、右を下にするということなのですが、それは、あまりやる意味が無いです。

 網膜剥離というのは、硝子体という眼の中のゼリー状のものが揺れて、網膜を引っ張ります。安静に上を向いて寝ていても、眼がきょろきょろと動いていると、それだけ中の硝子体は揺れて、網膜をより引っ張りやすくなるので、基本、上を向いて寝ていただいて、眼をできるだけ動かさないということが大事です。そして、できるだけ早く眼科へ行くことです。
【光視症で網膜剥離は起こるのか】
 光視症が何10年も見えているのですが、眼科の先生が診て、剥離する1週間前とか10日前に剥離が起こる可能性があるという所見があるのでしょうか。
 光視症があったからといって、剥離は起こらないほうが多いです。

 光視症というのは、暗闇でも眼の中を光が走る現象を、光視症と言います。光視症がなぜ起こるかかというと、硝子体が網膜を引っ張るときに、網膜は神経なので、神経を刺激します。それで光を感じる電気現象が起こるために、光視症が起こると言われています。

 光視症が起こるということは、硝子体が網膜を引っ張っているということなのです。それが強ければ強いほど網膜が引っ張られているということで、いくら光視症があっても、網膜が、孔が開かないよう持ちこたえてくれたら、網膜剥離は起こりません。

 程度問題なのですが、一般的に光視症が強ければ、注意したほうがいいと言われています。眼底を診て、もし弱いところがあれば、予防的に光凝固をすることはあり得ますが、そういうところが無くても光視症が起こる方がいます。

 判断は難しいです。ぶどう膜欠損というのがあると、余計に起こりやすいです。脈絡膜と欠損しているところの間に網膜があって、端の境界部分のところに硝子体が張り付いているので、すごく引っ張られやすいです。そこに孔が開いて網膜剥離が起こるということは、比較的少ないので、光視症のわりには、網膜剥離が起こりにくいかなと思います。
【内視現象】
 顔を下げていて急に上げると、左眼に光がザーッと20秒ぐらい現れてくるのですが、これはどういう現象なのでしょうか。左眼は硝子体手術をしています。咳き込むと、白くあちこちが光ります。
 下を向いていて、上げたとき硝子体手術で硝子体を取って無い場合、網膜はあまり引っ張られないですが、光視症では無く、多分内視現象だと思います。

 網膜に流れている血の巡りが模様のように見える現象があるのですが、内視現象の可能性が強いです。下を向いていると、血液が眼の中に溜まりやすくなって、パッと眼を上げると、血液の巡りが変わります。そのときに、そういう現象が起こることがあります。特に硝子体手術を受けた方に多い現象です。

 網膜を流れている血管にいっぱい白血球、赤血球が流れていますが、赤血球は赤いので、光をあまり通しません。白血球は光を通します。本当に小さな血球の違いによって、光の通りかたが微妙に変わって、その模様が見える現象です。それは起こってもあまり心配はありません。それが網膜剥離につながることも、まずありません。

 硝子体手術をやっている方は、よく見るという話です。硝子体手術をやっていないのであれば、光視症が考えられます。咳き込んだりすると、静脈圧が上がるので、そのときに網膜の血の巡りが微妙に変わっているので、起こっていると思います。心配はありません。
【白内障手術後の見え難さ】
 7年前に白内障手術を受け、特に支障は無いのですが、薄暗いところで少し見え難く、明るくしないと手元が見難いです。眼圧が高かったので、キサラタンとチモプトールを点眼しています。眼圧は12と8.5で、低いのも良くないのでしょうか。
 見え難いということが、何で起こっているかということなのですが、後発白内障といって、白内障のレンズが入っている袋が濁っているのではないかと思います。それはレーザーをすれば、すぐ見えるようになります。

 後発白内障は手術して、早い人は半年ぐらいで出てきます。7年経って、見え難さの原因がお話だけでは分からないのですが、一番多いのは後発白内障です。

 視野検査を受けているようですが、緑内障で視野が悪くなるのは困ります。眼圧が10とか8の眼圧でしたら大丈夫だと思います。眼圧が2とか3ですと、低すぎるのですが、8ぐらいですと大丈夫です。元々8ぐらいの人もいますので、心配は無いと思います。

 他の原因があって、真ん中が見え難いということがあれば、例えば加齢黄斑変性という病気を考えなければいけないと思います。初期の変化があるのですが、加齢黄斑変性なっていなくても、前段階のような方は沢山います。そういう方がかなり悪くなって見え難くなることはあります。

 OCT(光干渉断層計)という網膜の断面を撮る検査がすぐできるので、それで診ていただいたらいいと思います。

【緑内障を起こしやすい眼】
 私は老眼鏡を掛けていたのが、良く見えるようになって、老眼鏡がいらなくなりました。診ていただいたら、白内障になりかけていると言われました。そして、緑内障になる可能性があるので、白内障の手術をすれば緑内障にならないと言われました。
 角膜という黒目の透明な膜の後ろに、水晶体や、虹彩という茶色いものがあります。

 虹彩の根本に水の出口があるのですが、そこが浅いと詰まってしまいます。それで緑内障になりやすいと言われています。そのときに自内障の手術をすると、浅い空間が広くなりますので、緑内障が起こり難くなります。それで白内障が起こっているなら、早めにやりましょうということです。

 こういう眼の方は、急に緑内障発作を起こすことがあって、暗闇に行ったときに瞳が大きく開くと、水の出口が詰まってしまって、急に眼圧が上がることがあるので、予防的に白内障の手術をするということは、一つの選択肢です。

 最近手元が見やすくなったというのは、瞳孔(光を入れる絞り)が歳とともに小さくなったので、カメラで言うと絞りが遠くと近くのピント合わせやすくなったのです。

 前房空間の浅い人は、遠視ぎみの人に多く、こういうことは起こりやすいです。別に不思議なことではありませんので、手術をすれば緑内障になり難くなります。

 緑内障の発作を起こすことがまずいだけで、それが起こらなければ白内障手術は一刻を争ってやらなくてもいいのです。別の方法として、レーザーで孔を開けて緑内障を起こさないようにするという方法もあります。最近は、白内障が出てきた方は水晶体を取って、空間を広くするほうがいいと言われています。
【遠視の人の眼内レンズは】
 元々遠視なのですが、白内障手術で多焦点レンズと単焦点レンズは、どちらを入れたほうが良いのでしょうか。
 多焦点レンズは用途で、かなりのことを要求される方向きで、一般の方は単焦点で充分だと思います。近くに合わせたら遠くは眼鏡がいります。逆ですと、近くは眼鏡がいります。普段どちらで慣れているかということです。

 普段遠くにピントが合っているので、それに合わせて、近くは眼鏡を掛けるということで良いと思います。単焦点眼内レンズを入れても、瞳孔の小さい人は、ある程度近くに合います。
【ドライアイのヒアルロン酸の点眼】
 ドライアイで目薬を処方されているのですが、以前のお話でヒアルロン酸はあまり良くないということを聞いたのですが、目薬はあまり点さないほうがいいのかなと思いますが。
 ヒアルロン酸の点眼は問題ありません。飲み薬とか健康食品など色々出ていますが、良くないと断定できませんが、実際はどうなのかという疑問はあります。点眼は問題ありません。ヒアレインは、ドライアイに良く効きます。
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