15年関西「質疑応答」

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2015年中国四国懇話会
「質疑応答」
回答 みなもと眼科院長 皆本 敦先生
 
【視神経乳頭の周りの萎縮】
  現在60代で、24年前に右眼を網膜剥離の手術を2回しました。左眼も弱いので、レーザー治療をしました。その後定期的に診察を受けていましたが、3年ぐらい前に視野が狭く感じ、よく物に当たるので緑内障ではと思いましたが、緑内障ではありませんでした。

 視神経乳頭あたりに網膜の萎縮があるので、見えなくなっていると言われました。治療するとは言われなかったのですが、薬などで治療できないのでしょうか。萎縮とはどういうことでしょうか。
  この情報だけではわからないというのが正直なところなのですが、視神経乳頭の周りの色が変わって薄いということで、最初に思い浮かぶのは緑内障性の変化だと思うのですが、そこが否定されたということは、実際に拝見しないと何とも言えません。全く治療が必要ないのか、緑内障ではないけれども、緑内障の薬を使って、少しでも進行を抑えることが可能な状態であるかは、診て見ないとわかりません。

 視神経乳頭の周りが萎縮するのは、緑内障以外でも起こります。様子を見ると言われたのは、進行性があまりないと判断されたかもしれません。自覚症状とは必ずしも一致していないかもしれません。
【ステロイドによる白内障への影響】
 3年前右眼ぶどう膜炎で、今はリンデロンとゾビラックスを使用しています。最近眼がかすむので、診てもらったら白内障を起こしかけているということでした。リンデロンを点していると、白内障になると聞いたのですが、これからどんどん進むのでしょうか。飛蚊症が悪い眼のほうに出ています。
 ぶどう膜炎があると、硝子体の中に炎症細胞が出て、炎症が起こりやすく、硝子体も変性しやすく、飛蚊症も起こりやすいです。ぶどう膜炎があると、水晶体の後ろ側(後嚢)の部分が濁りやすいです。後嚢下白内障と言います。

 ステロイドを使うと濁りやすいのも同じところです。ぶどう膜炎の治療(炎症を抑える)でステロイドを使います。こういうところが濁ってくると、薄いスリガラスが入ったようにかすみます。視力が落ちた原因が白内障であれば、眼鏡の度を変えても改善しません。
【黄斑円孔手術後の萎縮】
 左眼を黄斑円孔で手術して11年ぐらい経つのですが、萎縮していると言われたことがあります。右眼も黄斑円孔になる確率は高いですか。
 黄斑円孔というのは、ある種の自然に発生した眼の中の傷で、自然に生まれた牽引力によって、網膜の中心に孔ができます。それを手術によって修復する治療をしたのですが、萎縮というのは、傷痕が色素沈着するように修復するので、完全に戻るわけでは無く、どうしても多少枯れたような感じになります。

 一応器械的なダメージを受けた組織なので、傷は修復しても年月を経て来て少しずつ傷の部分が衰えてくるというイメージです。

 黄斑円孔を全くしていない人よりは、黄斑円孔をしたことのある人は、反対側の眼に出やすいのは確かですが、それがどの程度かは、データが無いのでわかりません。

【高度近視網膜剥離後のかすみ】
 今68才で、両眼のかすみで困っています。20代で右眼網膜剥離と、33才に左眼網膜剥離で、50代に両眼白内障の手術をしました。それから調子は良かったのですが、3年前に眼のかすみが酷くなりました。

 一時的な眼の疲れだと思い日常生活に困らなかったので、様子を見ていたのですが治らず。去年の暮れからかすみが酷くなり、今月の検診で視野検査したところ、所どころ見えてないところがあり、矯正視力右0.3、左0.7に落ち、以前は0.9〜1.2でした。

 主治医から「視神経の萎縮と、網脈絡膜の萎縮がある」と言われました。眼の血流が普通の人の三割ぐらいなので、体を動かすことによって老化を防いで、平均寿命までは何とか持たせようと思いますが、何かよい方法はないのでしょうか。

 元々高度近視であって、今は白内障の手術をしたので、近視の度は下がっているということですね。高度近視は網膜剥離の危険因子の一つなのですが、それは眼の前後の長さ(眼軸)が長くなり、網膜の組織の絶対量は変わらないので、網膜は薄くなります。

 そうすると、網膜剥離の治療をして治っても、加齢黄斑変性のような変化が起こらなくても、網膜が伸展して薄くなっていて、血管も伸展され、血流が低下します。

 我々は、脳も眼も毎日おびただしい数の神経線維が脱落して、皆衰えていきますが、正常のパターンよりも落ちるスピードが速い病気の一つに緑内障があります。緑内障ではなくても、近視の強い方は元々組織が伸展されていて、血流も低下していますので、二次的に神経の栄養供給が悪く、網膜の萎縮が起こりやすいです。

 萎縮という言葉を医者は使いますが、一度出来上がったものが、衰えていくという意味で使います。元々の神経組織量が、次第に血流が悪くなって、徐々に少なくなっていくということで、テレビのディスプレイで言うと、神経線維が減っているので、解像度が落ちて行くイメージです。

 それを止める方法は血流を良くするということで、主治医の先生の言うように運動もそうです。直接そこの組織の血流を増加させることは難しいのです。ある種の、血流を増加させるのに効果があるという薬物もありますが、保険適応と認められないものが多いです。薬は何でも、全ての人に効果があるかは分かりません。主治医の先生に相談してください。

 サプリメントは飲んで3ヶ月4ヶ月で効果が認められれば薬剤として認められます。サプリメントだから効果がないということは、完全に否定できません。飲んで害は無いと思いますし、それなりの根拠はあると思います。
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