15年総会「グループディスカッション」

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2015年総会
「グループディスカッション」
回答 大阪医科大学眼科教授 池田 恒彦先生
 
【円孔の両眼罹患確率】
 63歳で、15年前に網膜剥離になり手術をしました。その後黄斑円孔になり、緊急オペとなりました。その後も黄斑円孔と硝子体剥離を起こして、硝子体手術で眼内レンズが入っていますが、結局、孔は塞がりませんでした。

 眼内レンズの寿命はありますか。
現状は右眼の視野が時計で言うと、10時方向に欠損していて、視力検査も横にしないと見られません。年3回定期観察していますが、会報を読むと一回黄斑円孔になると、再発する可能性が強いと書いてあったのですが。視力は矯正視力0.5です。

 斑円孔は近視が強くなくてもなります。近視の強い方の黄斑円孔は、網膜剥離に合併することもあり、閉じないことも結構あります。孔が閉じなくて0.5は良い視力だと思います。視力が0.1以下になる方が多いので、多分わずかに閉じなかったのですね。

 近視の強い方は網膜が薄いので、もう片方がなる確率は、一般的に黄斑円孔では10%です。逆に10人に一人しかならないという確率の問題ですが、もう片方も近視が強いと確立が高いと思います。両眼なるということは少ないので、定期検査をしていれば大丈夫だと思います。

 硝子体手術をすると、白内障が早く進行して、だいたい50歳を越えると、硝子体手術をして水晶体を残しても、1年以内に白内障になりますので、高齢の方は白内障でなくても同時にやることが多いです。良いレンズが出ていますので、時々濁ったりすることもありますが、レンズの寿命は死ぬまでほぼ大丈夫です。 
【軸性近視】
 10年前に両眼ド近眼なので、レーシック手術をしました。視力は両眼0.1から1.0になりました。1年前に右眼が網膜剥離になり、硝子体手術でシリコンオイルを入れ、3ヶ月後にシリコンオイルを抜き、同時に白内障手術をしました。

 最近左眼が見にくくなり、亀裂が入っていて経過観察しかないと言われ、右眼の視力が悪いので、頼りの左眼が駄目になったらと思うと心配です。本を読むと疲れます。予防法はありますか。
 OCT(光干渉断層計)で網膜の断面を見たことがあると思いますが、網膜分離と言って、網膜の構造が乱れて落ちてきていると思います。近視の強い方でも、両眼網膜剥離になることは、そんなに多くはないです。

 網膜剥離は、統計的に5〜6千人に一人です。もう片方が網膜剥離になる確率は、やっていない方より確率が10倍に上がります。それでも500分の1で、そんなに高い病気ではありません。近視が強ければ強いほど、その確率は増えます。予防法は特にありません。

 近視の方は網膜の働き自体が悪い方が多く、変な見えかたをしたり、歪んで見えたりします。眼軸が伸びていくのが特徴で、それにつられて網膜が薄くなっていきます。急には悪くならないのですが、今後ゆっくり悪くなる可能性はあります。近視が強ければ、うちの病院では、定期的にOCTをやっています。

 まず大事なのは、ちゃんと見えているかどうか片方ずつ見て、何か異常があったらすぐ診て頂くのが一番の優先事項です。例えば悪くなって色々考えられるのが、黄斑上膜が張ってくるとか、網膜が乱れる網膜分離が出てくるとか、一番怖いのは網膜剥離ですが、網膜剥離にならなくても、視力がおちてくる原因は色々あります。

 網膜と、網膜の後ろ側の膜が薄くなって、両方とも感度が悪くなっていくということがありますので、定期的に診てもらうしかありません。

 近視は進行していくので、すぐに眼鏡が合わなくなります。ちょっと見にくくなったら眼鏡を替えれば、もう少し良く見えることもあります。近視でも、軸性近視という軸が伸びていく近視の方は、ゆっくりですが進行していきます。
【強度近視の方の網膜剥離予防は】
 私の家族は強度近視で、姉と弟は網膜剥離で、姉は片眼失明しました。私は白内障手術だけですが、網膜剥離になると色々合併症が出ると聞いています。網膜剥離は硝子体の老化でなると聞いて、予防する方法はありますか。
 起こらないようにする方法ですが、網膜に孔の開きやすい弱い部分があります。格子状変性という網膜の端のほうに弱く薄いところを持っている方が結構多く、100人眼底検査をすると、数人必ずいます。これが網膜剥離の一番大きな原因で、有れば予防的にレーザー治療(光凝固)で、網膜と下の膜を、網膜が浮いてこないように糊付けする場合がありますが、格子状変性の方全員にするわけではありません。

 これは色々議論になっていて、格子状変性が見つかればすぐレーザーをやっていた時代もありました。半世紀経って、そこまでしなくてもいいのではということで、片眼が網膜剥離になって、もう片方を予防するため弱いところにレーザーをやったほうがいいというのが、今一般的な考え方です。

 網膜剥離をやったことのない人に、格子状変性が見つかっても、今はほとんどレーザーをやらない方向になっています。ただケースバイケースで、網膜剥離を起こしやすいタイプがあって、家系に網膜剥離の方がたくさんいる場合は、何か網膜剥離以外に遺伝的要因があるときは、あえてやることがあります。

 網膜の血管の発育が悪く、伸びが悪くて網膜に栄養分が行きにくいケースの網膜を持っているタイプが家系に多い場合は、網膜剥離を起こしていなくても、レーザーをやることは時々あります。

 診てみないと分かりませんが、兄弟二人がなったということは、かなりの確率なので、ひょっとしたらという感じはあります。網膜の血管形成が元々悪い方が網膜剥離になり易いと思います。主治医の先生によく相談すると良いでしょう。

 レーザーをやったからといって、100%網膜剥離が起こらないということではありません。レーザーをやることによって、硝子体の収縮を促進して、網膜剥離を誘発することがあるので、気を付けてやらなければいけません。網膜剥離を片眼やっている方に、もう片方にレーザー治療をやると、網膜剥離が起こる確率は、ゼロにはできないのですが4分の1になると言われています。

 遺伝性の病気かどうかは、ある程度分かります。「家族性滲出性硝子体網膜症」という家族性がある病気があり、日本人には結構多いです。網膜の血管が、周りにちゃんと伸びていかない病気で、未熟児網膜症という早く生まれたために、血管の発育が悪い赤ちゃんがいますが、未熟児では無いですが、血管が伸びていきにくいタイプが日本人には多いです。眼底を診ればだいたい分かりますので、ぜひ受診してください。

 単に近視が強いので家系の中に網膜剥離が多いという方もいます。それ以外に色々な病気混じっているので、診てみないと分かりません。遺伝はかなりします。
【遺伝性の近視】
 近視は遺伝するのでしょうか。
 近視の軸性近視(眼球が伸びていく)で、厚い眼鏡を掛けている方は遺伝性が強いです。特にアジア系、日本、中国に多いです。人種的なものがあります。
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