16年総会「グループディスカッション」

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2016年総会
「グループディスカッション」
回答:自治医科大学眼科准教授 牧野伸二先生
 
【網膜剥離手術後の眼の痛み】
 6年前に右眼を網膜剥離で硝子体手術をして、左眼も危ないということで、光凝固をしました。

 それから手術した眼の痛みが酷く、今も続いています。
痛みは疲労などで出てくるのか、時々頭痛もあります。主治医は、痛みがある時は冷やすか温めろと言います。サングラスも掛けてみました。
 結論から言いますと、痛みは網膜剥離とは関係無いと思います。眼の使い過ぎか、涙が出ないドライアイかもしれません。

 網膜自体は、痛みを感じません。涙がどのくらい分泌されているかです。目薬で涙を補う人工涙液や、涙の性質を変えるなど色々な目薬があり、合うか、合わないかもあります。

 剥離との因果関係は無いと思います。眼鏡が合わない時なども、眼の奥が痛いということもあります。遮光眼鏡はブルー(青色波長)をカットするということで、全体的に暗くしているわけではありません。

 眩しさに影響している波長だけ落として、よりコントラストを上げて、眩しさを軽減して同じ環境でも少し見やすくするということが目的です。サングラスもいろいろあり、掛けてみて合う色を試してみてください。
【硝子体手術では硝子体を全部抜くのでしょうか】
 39年前に剥離の手術をして、その当時は失明すると言われ大変でした。5年ぐらい前に再発して、局所麻酔でやると言われたのですが、パニック障害があるので、全身麻酔で手術しました。

 白内障手術を両眼しました。後発白内障が心配です。硝子体手術は硝子体を全部抜いてしまうのでしょうか。

 硝子体は出来る限り取ってしまいます。茶目の後ろ側にある毛様体から水が出ているのですが、それに置き換わります。手術の後は水が入っています。

 今迄の眼科治療の歴史がわかる体験です。昔の絶対安静の時代から、ガスが入ったら無くなるまで必ずうつ伏せで入院していたのが、今はバックリングだとバックルの上に孔がちゃんと乗っていて、レーザーが出来ているという条件だと退院できます。

 硝子体手術でも、ガスが入っていて半分ぐらい残っていても、入院していても寝ているだけなので、家に帰って良いということになります。

 後発白内障は心配ありません。濁ってきたらレーザーで濁りをとることができます。
【術式、器具の進歩】
 現在82歳です。右眼は剥離で1955年に3ヶ月入院し、1975年には、再度バックリング手術で1ヶ月入院しました。その後、白内障手術も経験しました。

 また、20年前からは緑内障で目薬4種類さしています。

 一応「死ぬまで大丈夫だから安心して」と主治医には言われていますが、鼻側の上の視野が欠けてきて、新聞の上の方が読めません。
 今は白内障の手術はあっという間ですが、昔は絶対安静という時代もあって、手術後はじっとくっ付くまで待っていました。

 人工レンズも無い時代から進んできて、剥離の手術も進み、最先端の器械で手術を受けられる時代になりました。それは先人の色々なケース、術式がわかって出来上がってきました。
【閃輝性暗点】
 息子のことなのですが、夜に閃輝性暗点が起きて受診したら網膜には異常ありませんということで、検査を勧められました。
しかし、一向に治らないの竹内先生に診てもらったら、縫い付けてあった眼内レンズが外れていて、多分そのせいで見え難かったということでした。

 眼内レンズは17歳ぐらいのとき入れたもので、遠近両用だったのですが、それに慣れているので、そのままそのレンズをまた入れました。
 閃輝性暗点は、眼に行く動脈の血の巡りが悪くなると暗くなり、その後に血流が戻って血管が拡がったときに、血流がいっぱい流れるので、そういう物が見えます。

 月に何回も起こることがわかって来て、その前兆が出たときに、そうならない薬を飲むかということですが、日常生活、生活スタイルを変えると、少し違うかもしれません。

 休むのが良いと言われますが、仕事をしていないとストレスが溜まる人もいます。仕事が忙しくても、剥離にはなりません。

 MRI(磁気共鳴画像法)でも、多分何も出ないと思います。
こういう症状だと、この検査をして、こうやらなければいけないというのは教科書的にはあるのですが、症状を聞いて、なるべく患者さんには余計な検査をさせないという考えや、患者さんがとても心配していると、何でも無いということを見つけることが幸せだと考えるかは、色々なナビゲーション(方向を指示する)があります。

 若い頃の人工レンズが、ちょつと弱くなっているかもしれませんが、人工レンズは一生ものです。
【iPS細胞の現在】
 iPS細胞で網膜の再生のニュースを聞きましたが、その将来性は?
 それは、加齢黄斑変性の人のための治療に役立てようという研究です。

 視細胞は元気だが少し浮腫がある人に対する治療方法として、網膜の視細胞に栄養を渡している網膜色素上皮細胞を自分の体(の細胞を利用して)つくり、盛り上がっているところに孔を開け、悪いところを取り、(iPS細胞で)作ったものを入れてガスでくっ付け、新しい細胞が出てくるのを待ちます。

 また、視神経の再生医療も徐々に進んできています。
ただ、(現在の到達点としては)見えない人が、モノクロの世界で、モザイクのように濃いところ薄いところが、何となく人の形っぽく見えるかどうかというくらいのレベルです。
【昔と今の術後の変化】
 昭和40年代に手術してずっと落ち着いていたのですが、4年前に黄斑円孔があって手術して、白内障の手術をしてレーザーをやりました。
 昔はとにかく剥がれた網膜をくっ付けなければいけない時代で苦労して治して、少しぐらい見えれば、それだけで有り難かったのです。

 しかし、今は治る時代になって、治った後によく見えないとか、バックルが巻いてあるので、視野が狭く感じて元通りになっていないと(不具合を訴えられる)こともあります。

 網膜剥離の手術を何回やっても、網膜が元気ならOKですが、手術を何回もやると、水を作るところの機能が悪くなり眼球は萎んできてしまいます。(会報249号から転載)
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