16年総会「グループディスカッションA」

ホーム お知らせ 友の会とは? Q&A 講演録 協力医訪問

2016年総会
「グループディスカッションA」
回答:大阪医科大学学教授 池田恒彦先生
 
【レーザーで止めた網膜裂孔】
 一昨年網膜裂孔を近医が発見できなくて、大学病院で見つかりました。元々強度近視で、孔が開いていたので、レーザー治療をしました。そこの病院はレーザーで出来るだけ食い止めて、それでダメなときはバックリングか硝子体手術と言われました。反対の眼に光視症が見えます。
 取りあえずラッキーです。網膜剥離になる前に、レーザーで抑えられて良かったです。大抵は剥がれてから来る方が多いので、剥がれている範囲が広くなければ、レーザーで囲って、堤防のようにしてそのままOKということです。

 そのままいけるケースがほとんどですが、レーザーをやったから100%大丈夫とは言えません。レーザーをやっていても、レーザーの接着を乗り越えて網膜剥離が出てくることが稀にありますので、定期受診は必ず受けてください。

 上のほうに孔があるのでしたら、そこから対角線の方向に暗いところが出てくるので、必ず片眼ずつ見て、視野に変な物が見えないか確認してください。

 光視症があるときは要注意で、硝子体が収縮して網膜を引っ張っているのですが、光視症が起こっても、全ての方に網膜剥離が起こるわけではありません。だんだん少なくなってきているのでしたら大丈夫だと思います。
【4回手術した後の視力回復】
 私は5年ぐらい前に網膜剥離になって、4四回手術を受けました。1回目硝子体手術をして、2週間後に再剥離しました。2回目硝子体手術をしてシリコンオイルを入れ、増殖膜を剥がす手術を、別の先生のところでして、数か月後シリコンオイルを抜く手術をしました。視力は0.1ぐらいで、歪んで見えます。これ以上機能的に良くなることを期待できないのでしょうか。
 網膜剥離の手術の回数を重ねると、網膜が疲れ、特に黄斑部に元気が無くなってくると視力が戻りません。網膜がくっ付いて、ある程度視野と視界が戻っても、真ん中の歪みが残ることは多いです。シリコンオイルを使うところまで行ってしまうと、1.0まで戻る確率は極端に減り、視力は0.1、0.2になります。

 何で戻らないかと言うと、網膜の中には視細胞という一番大切な細胞があります。網膜が剥がれると、視細胞が傷んで網膜が戻っても、中の細胞が無くなってしまいます。眼底検査で一見きれいに見えても、中は見えないので、結果的に視力が出ないということになります。

 OCT(光干渉断層計)で網膜の視細胞を見て評価しないと難しいです。4回手術を受けて、シリコンオイルを入れてということですと、これ以上視力回復は、類推でしかないのですが、難しいです。網膜剥離も治らないと失明する病気ですが、失明せず0.1視力が戻ったということを認めて、プラスに考えてください。

 一回失った視力を戻すために色々やっているのですが、網膜は脳の一部で、基本的に失った視力は再生できないのですが、今は再生医療、iPS細胞が出てきています。視細胞を元気にするプロジェクトが進行していて、将来そういうことができるようになるかもしれません。

 網膜剥離の手術を受けた方全員が1.0に戻っているわけでは無く、非常に苦しんでいる方もいます。視力が落ちた方も、剥がれたところが戻ると、少し視力が戻る方もいますが、バックリング手術で眼の動きが悪くなってしまう方など、色々な方がいて、結構後遺症があります。
【強度近視者の術後】
 2年前左眼強度近視による網膜剥離を、手術して見えるようになったのですが、歪みが残って、距離感と若干小さく見えるので、仕事のスピードと正確さが劣り、転職しました。.しかし今の仕事にも支障が出ます。眼を使わない仕事は無いので、皆さんはどうしているのでしょうか。両眼0.7(矯正)ですが、見える質は違います。市販の目薬は眼に悪いのでしょうか。
 強度近視の方は網膜が薄くて、視力が0.7以上出ていても、視力の質は悪いです。網膜剥離を起こして網膜がくっ付いても、大きく見えたり、小さく見えたりします。

 これは変視症と言い、網膜の内側の視細胞が剥がれたときに配列が変わり、変わったままくっ付くと、例えば細胞の間隔が広くなると、物が小さく見えます。逆に感覚が狭くなると大きく見えます。

 一定の範囲の細胞の数が減ってしまい戻りません。色々な病気によって違うのですが、これはなかなか治りません。時間が掛かっても少しずつよくなる方はいますが、最終的に残ります。

市販の目薬は悪いということはありませんが、それで治るということはありません。

 片眼が悪いと立体視が落ちます。両眼で物を見て距離感がわかるのですが、距離感がわからないと困る仕事は沢山あります。例えば、運転免許は片眼失明していても、片眼0.7以上あれば取れますが、危ないです。強度近視の方はじっと見ていないと見えるまで時間が掛かり、調節力も落ちます。

 硝子体同時手術では、近視を減らす方向に眼内レンズを入れますので、手術した眼は、近視は減るのですが、していない眼は、近視は強いままで、バランスが悪いです。一つの方法は手術していない眼にコンタクトレンズをすると、少しは増しになります。眼鏡は非常に強い度だと思うのですが、コンタクトレンズは角膜に乗せるので、今より大きく見えていいで
しょう。

 障害者手帳は1級から6級まであって、一番視力がいい6級でも片眼が0.6以下で、悪いほうは0.02以下と決まっていて、視界の広さもあります。

 近視の強い方は、年齢と共に近視が進行して、網膜が薄くなり、視力が落ちていきます。今日本の視覚障害の原因の第5番目が強度近視です。その中には眼鏡を掛けても視力が出ない方がいますが、そうならなければある程度視力は維持できると思います。
【緑内障目薬の防腐剤】
 左眼を2回網膜剥離の手術をしました。1回目は十代のときに、2回目は40代で手術しました。今は強度近視を原因とした緑内障です。2回とも鼻寄りのところが剥がれて、そこから視野の見えないところが拡がって、左眼は進行しています。

 右眼は大丈夫なのですが、主治医からは「このままでは5年から10年だろう」と言われて、今50代でショックを受けています。緑内障は治らない病気ですが、進行を遅らせられることができれば、失明を遅らせることもできるのではと思います。

 目薬をちゃんと点そうと思うのですが、近医に「保存料(防腐剤)入り目薬は反対です」と言われました。ラタノプロストとAZを使っていますが、ラタノプロストにはキサラタンという先行薬があって、後発薬が25種類あり、日本の厚生労働省が先発薬と後発薬はほとんど一緒だと言うのですが、メインのところが合えばOKが出るようです。

 他に何が入っていてもチェックはスキップしているようなので、後発薬は怖いと思いました。塩化ベンダルコニウム他防腐剤の影響もわからず、眼科学会も賛否両論あって、主治医は「角膜に障害が出なければ今のうちは大丈夫だろう」と言うのですが、不安です。
 今は、基本的には防腐剤が入っているのがほとんどです。先発品と後発品を比べると、主成分は同じですが、防腐剤は変わっています。先発品を点していて、後発品に変えた途端に角膜障害が出たということは良くあります。そういうときは先発品に戻すべきだと思いますが、国は医療費が抑えられるので、後発品を推奨しています。

 我々は渋々それに従っているのですが、医療という面を考えると逆行しています。それは医者の裁量で、後発品がダメだという処方箋が書けます。処方箋を出すときに後発品不可という項目があるので、そこにチェックを入れて、二つハンコを押します。そうすると先発品が処方されます。先発品が良くて、変えたいときは変えてもらってください。

 先発品も防腐剤は入っていますが、防腐剤の種類が違います。角膜に障害が起こりやすい防腐剤を使っている後発品が多いです。これはなかなかわからないのですが、後発品の中でも先発品より良い防腐剤を使っている物もありますので、一概に後発品が全部悪いとは言えません。

 基本は防腐剤が無いのが一番いいのですが、目薬が一方通行しかできない特殊な点眼容器ですと防腐剤フリーなのですが、高くて一般的ではありません。防腐剤はベンザルコニウム塩化物(BAC)が一番多く、クロロブタノール、パラベン等があります。 点眼薬によって防腐剤の濃度が違います。できるだけ防腐剤の濃度の薄い点眼薬を使うといいでしょう。

 緑内障は多い病気で、40歳以上20人に一人が緑内障です。バックリング手術を受けているようですが、硝子体手術をした眼は、やっていない眼に比べると、緑内障になりやすいと言われています。バックリング手術は若干リスクが上がるということです。防腐剤だけが全ての原因では無いと思いますが、緑内障の点眼自体で角膜が傷むということは良くないので、色々試してみるしかありません。
NEXT  BACK


Copyright(C) 2001-2017 網膜剥離友の会 All rights reserved.